研究概要 |
人と人をつなぐIT環境が深化すればその応用が期待されていることのひとつに少子高齢化時代の生活支援がある.本研究では,ITの深化によりこれからの環境が個々人の生活支援をどのように行うかをテーマとし,現状のIT環境と実世界で生活する個人との間でかけている部分を明らかにし,その間を埋めるために無線化技術を駆使した遠隔知能化(リモートブレイン)ロボット技術を利用することで生活支援のためのパーソナルIT環境の構成法を研究することを目的とする.初年度は,家庭内で利用するIT端末としてのロボットと家庭内情報サーバを無線で結ぶ環境の構築と,その環境を家庭の内外から利用することで生活行動支援を行うシステムを構築するという計画であり,以下の成果を得た. (1)家庭用小型ヒューマノイドIT端末の実現:高齢者など日頃IT環境になじめないでいる世代の人にとって利用可能なIT端末としてのロボットを実現する.形態は身体の動きによる表現能力の高いヒューマノイド型とし,リモートブレイン方式により家庭内サーバと無線で連動するシステムを実現する.視覚部には単一無線カメラで立体視が可能なアダプタを実装した. (2)ロボットブレイン兼用のホーム情報サーバの実現:家庭内IT端末ロボットの頭脳処理と,インターネット情報サーバとして働くシステムを実現する.ロボットの視覚情報や内部処理状況をインターネット画像として人に提示するための機能をもたせ,ロボットの活動履歴も記録する. (3)留守番ロボット機能の設計と実装:外出した際に携帯電話端末あるいは屋外携帯型ロボット端末などからホームサーバとロボットを利用した留守番機能の設計と基本ソフトウェア環境の実装を行う.
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