研究概要 |
ソフトウェア部品の組合せ開発を中心とするコンポーネント技術が,開発期間の短縮と開発コストの削減を目的として注目されている.コンポーネントはあるサービスを提供する,独立して交換可能なソフトウェア構成単位である.近年,コンポーネントを開発・運用するためのコンポーネントアーキテクチャ体系が成熟しつつあるのに対して,既存のコンポーネントを適切に再利用する仕組み・方法論は未成熟である。従って,コンポーネントの再利用は限定的な種類・利用法に留まってしまっている.本研究は,このような状況において,コンポーネントの積極的な利用を促進するための,手法・ツールを実現することを目的とする。具体的には,現時点では,以下の諸機能を実現し,これらを複合的に利用する環境を用意することにより,コンポーネントの幅広い利用を促進する。 (1)効率的なコンポーネントを提供する手法 (2)作成したコンポーネントをテストする手法 (3)作成したコンポーネントの品質を計測する手法 (4)ライブラリからのコンポーネント検索手法 (2)のコンポーネントのテスト手法については,細粒度コンポーネントの状態観測性の高さを利用した条件テスト手法を提案した。その設計においては,条件テストスクリプトと本体コードの分離,および条件テストスクリプトと条件記述の分離を実現した.。(3)のコンポーネントの品質を計測する手法については,コンポーネントの再利用性を導く要素として,利用容易性,テスト容易性,可搬性の3要素に着目し、これらの視点を活かしたメトリクスを提案し,その計測法と評価データを用いたその合理性の確認を試みた.。(4)のコンポーネント検索手法においては,コンポーネント間の差異を測定する指標として有向置換性距離を提案し,コンポーネント間の有向置換性距離を利用して,ユーザの視点に沿った柔軟な検索を可能とするコンポーネント検索システムの実現を行った
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