研究課題/領域番号 |
13226032
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
後藤 敏 福井医科大学, 医学部, 助教授 (00211920)
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研究分担者 |
竹内 健司 福井医科大学, 医学部, 助手 (40236419)
小松 孝行 福井医科大学, 医学部, 助手 (20215388)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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キーワード | パラミクソウイルス / インターフェロン / シグナル伝達 / アクセサリー蛋白質 / C蛋白質 / 自然免疫 / STATs / 免疫回避 |
研究概要 |
1、センダイウイルス(SeV)C蛋白質の単独発現細胞を樹立した。SeVのインターフェロン(IFN)シグナル伝達阻害機構の主役は、C蛋白質であり、C蛋白質以外のウイルス蛋白質は必須でないことを確認した。 2、IFNが細胞膜上のレセプターに結合するとチロシンリン酸(pY)化を通してSTATsが活性化される。感染初期には、IFN-α/β、IFN-_γどちらの刺激に対してもSTATsのpY化が抑制されていた。このpY化抑制は感染初期に重要な役割を果たしていると考えられた。一方、IFNにより感染細胞を持続的に刺激すると、添加後数時間からpY-STATsレベルの上昇がみられ、その後pY-STATsが長時間検出される。通常、非感染細胞では、脱リン酸化過程が働き、pY-STATsのレベルの上昇は一過性で数時間後には消失する。このpY-STATs蓄積現象の解析から、感染細胞ではSTATの脱リン酸化過程が阻害されていることを明らかにした。感染中期には、IFN-_αに対するSTATsのpY化抑制が解除されること、さらに、IFNγに対しては解除はないものの、リークが存在することから、STATsリン酸化過程の下流に、より本質的な阻害機構が存在することが明らかとなった。SeV感染によるセリンリン酸化抑制によって、IFNシグナル伝達の阻害を説明することはできなかった。リン酸化に対するSeVのこれらの影響は、すべてC蛋白質の機能であった。 3、感染細胞extract中のStat1やpY-Stat1は低塩濃度のbufferの中で高分子複合体になる。この高分子複合体形成に関わるウイルス因子がC蛋白質であることを明らかにした。下流の第2の阻害機構と脱リン酸化抑制現象、そしてこの高分子複合体形成との間には、密接な関係があることが示唆された。
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