研究概要 |
サルモネラが異なった環境に暴露されたとき、どのように全遺伝子の発現を調節し生き残りのために適応しているかを解析するため、サルモネラの遺伝子チップを作成し網羅的な遺伝子の発現を解析する環境を作成した。 大腸菌の全ゲノムとサルモネラ全ゲノムを比較し、サルモネラに特異的な配列を持った遺伝子を約600遺伝子選択しマイクロアレイを作成した。遺伝子は5末端から500-1000塩基をPCRで増幅後、精製しガラスマイクロアレイに固定した。細菌のmRNAの増幅には遣伝子増幅に使用したアンチセンスDNA配列を使い特異的にmRNAをcDNA変換し解析した。 通性食細胞内寄生細菌であるチフス菌は人の腸管内に入ると、きょう膜合成遺伝子群viaB領域の発現を抑制し、侵入に必要な侵入性タンパク質を発現する。ところがきょう膜合成遺伝子群viaB領域の遺伝子は食細胞内で発現されており、この発現が食細胞内増殖には不可欠で有ることを報告してきた。このとき変動する遺伝子を解析するためまず、低浸透圧(50mM NaCl)で24時間培養し、vi抗原を発現しているチフス菌を300mMのNaClに移し、15分、30分、60分後に全RNAを抽出しmRNAの変化を解析した。 この解析のためにompR, viaB, ompf, ompC, rpoSのノックアウト株を作成し野生株を比較し環境変化に応答する遺伝子群を特定する環境を作成した。
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