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パターン認識蛋白質の構造機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 13226091
研究種目

特定領域研究(C)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関九州大学

研究代表者

川畑 俊一郎  九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (90183037)

研究分担者 河野 敬一  富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (10136492)
研究期間 (年度) 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
キーワードパターン認識 / カブトガニ / レクチン / アセチル基 / X線結晶構造解
研究概要

パターン認識タンパク質は、感染微生物の表層成分、例えぱ、リポ多糖、ペプチドグリカン、リポテイコ酸、β-グルカンなどがつくりだす分子パターンを認識するものと考えられている。本研究の目的は、パターン認識タンパク質の構造と機能の解明により、パターン認識という魅惑的な概念の本質へ迫ることである。タキレクチン5は、構造的に単純なアセチル基を標的としている。なぜ自己にも存在する糖を標的にして非自己を認識できるのだろうか。本年度、X線結晶解析(解像度2Å)に基づきタキレクチン5Aの構造と機能が明らかになった。269アミノ酸残基からなるタキレクチン5Aは、全体的には34Åx36Åx53Åの卵型でA, B, Pの3つのドメインで構成されていた。C末端側ドメインであるドメインPは、3つのαヘリックスと2本ストランドの逆平行β-シートから成り、ジスルフィド結合で安定化されている。ドメインPは、タキレクチンの機能ドメインであり、リガンド結合部位とカルシウム結合部位を含んでいる。漏斗状のリガンド結合部位ポケットの壁は、3つのTyr残基の芳香環とひとつのHisのイミダゾール環から形成され、さらにポケットの底にはAla側鎖のメチル基が存在する。そのためポケット内が疎水的環境となり、リガンドであるGlcNAcの2位N-アセチル基のメチル基との疎水相互作用を効果的なものにしている。一方では、これらTyr残基の水酸基はすべてポケットの入り口に配向してN-アセチル基の窒素とカルボニル酸素と水素結合している。Arg218とCys219の間のペプチド結合は、通常は見られないcis結合であり、その結果、鋭角なターン構造となってcis-ペプチド結合のNH基がN-アセチル基のカルボニル酸素と強い水素結合を形成することを可能にしていると考えられる。したがって、このcis-ペプチド結合がアセチル基に対する特異性に大きく寄与していることが判明した。

報告書

(1件)
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Norman Kaires: "The 2.0-Å crystal structure of tachylectin 5 provides evidence for the common origin of the innate immunity and the blood coagulation systems"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 98巻・24号. 13519-13524 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 川畑俊一郎: "カブトガニC反応性蛋白質の構造と機能の多様性"医学のあゆみ. 200巻・10号. 9532-9536 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2018-03-28  

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