研究課題/領域番号 |
13301001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清水 哲郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70117711)
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研究分担者 |
岩熊 幸男 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (10135600)
山内 志朗 新潟大学, 人文学部, 教授 (30210321)
樋笠 勝士 上智大学, 文学部, 教授 (10208738)
伊藤 博明 埼玉大学, 教養学部, 教授 (70184679)
加藤 守通 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40214407)
花井 一典 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80228501)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
26,910千円 (直接経費: 20,700千円、間接経費: 6,210千円)
2004年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2003年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2002年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2001年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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キーワード | 中世哲学 / キリスト教思想 / 言語哲学 / ロゴス / 文法学史 / 論理学史 / ギリシア哲学 / 唯名論 / ロスケリヌス / 記号論 / 12世紀 / 国際研究者交流 / イギリス:フランス:ドイツ / イスラム思想 / イギリス:フランス / 初期キリスト教 / カロリング・ルネサンス / イギリス:オランダ / 項辞論理学 / 文法学 / signification / 神学 |
研究概要 |
古代末期から中世にかけてのキリスト教思想の進展は、ギリシア哲学を継承する思索でもあり、《ロゴス》をめぐる哲学が柱となっていること明らかにする課題に取り組み、次のような成果を挙げた。 1.清水はパウロ思想研究に加えて、新約聖書諸文書(『ヨハネ福音書』、『コロサイ人への手紙』など)に取り組み、ロゴス・キリスト思想の背景にヘレニズム・ユダヤ教的旧約解釈の流れを推定した。 2.ストア派論理学をめぐって古代哲学とキリスト教思想の交わりの一側面にアプローチする樋笠は、significatio概念を基にして、アウグスティヌスの記号論研究を展開した。 3. 11世紀後半のアンセルムスと12世紀前半のアベラルドゥスをめぐって、山崎は「愛」概念を中心に倫理的な側面から検討を加え、清水は、前者の存在-言葉の思索の変形として、後者の唯名論を見る見方を提示した。 4. 12世紀論理学研究について、Ars Melidunaの岩熊による校訂に基づき、清水が分析を行い、それがアベラルドゥスのsignificatio理解を逆転させているという結論を得た。また、あるカテゴリー論注解写本について、岩熊を中心に国際的な意見交換を重ね、2004年に、岩熊、清水はJ.MarenbonおよびC.Mewsと国際研究集会において1セッションを行い、アベラール後期理論の記録であるという共通見解に到った。 5.以上のほか、古代末期から中世初期にかけての知的断絶を、ゲルマン侵入に伴うリテラシイの局地的断絶と理論闘争がないことによる思索力の長期的低落傾向分けて見るという主張、イスラム思想の中世言語哲学への影響についての、山内、および研究協力者C.Burnettを中心にした検討、さらには、神崎によるアリストテレス霊魂論がキリシタン時代に日本に入ってきた時期の文献分析など、様々な活動を行い、成果をあげた。 以上の研究経過および成果は、2005年9月に国際中世哲学会年次コロキウムを日本で開催するという副産物をもたらしもした。
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