研究分担者 |
有田 亮太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80332592)
音 賢一 千葉大学, 理学部, 助教授 (30263198)
青木 秀夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50114351)
荒木 新吾 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90362615)
中野 岳仁 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50362611)
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配分額 *注記 |
54,730千円 (直接経費: 42,100千円、間接経費: 12,630千円)
2003年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2002年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2001年度: 37,310千円 (直接経費: 28,700千円、間接経費: 8,610千円)
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研究概要 |
内径11Åの細孔が単純立方構造で配列したアルミノケイ酸塩ゼオライトのLTAにカリウム金属を吸蔵させた系では,クラスター当たりのs電子数が2個を越えると強磁性が突然現れる.本研究によって,強磁性が現れるs電子数においてのみ,電子スピン共鳴のg値が低下することが明らかになった.これは,Kクラスターの1p軌道にs電子分布すると,軌道縮退によってスピン軌道相互作用が劇的に増大することを示している.そこで,強磁性の発現機構として,反強磁性配列スピンが,隣接する縮退軌道との間の巨大な反対称交換相互作用によって大きく傾斜して自発磁化が発生するというスピンキャント機構を提案した.これは,高磁場の磁化測定の結果によっても支持されることがわかった.また,μSRの実験を行った結果,内部磁場は強磁性転移温度以下で急激に大きくなり,その大きさは上記の磁性モデルで矛盾無く説明できることがわかった.また,μSR信号の初期非対称性が,縦磁場によって急激に回復する現象を見いだし,これをスピンキャント機構で説明した.さらに,超強磁場においては,キュリー定数から期待される磁化を越える磁化が観測されるという新奇な現象を発見した.これを1p軌道における準位交差という新しいモデルを導入して説明した.さらに,圧入法による電子ドーピングという新手法を開発し,新しい磁性相を見いだした.また,遷移金属クラスターの磁性を測定し,新しい結果を得た.一方,単純立方構造で配列したKクラスターについて,第一原理計算によるバンド計算を行ったところ,これまで考えられてきた局在関数による近似モデルをほぼ再現するバンド分散が得られ,しかも,この系は強相関電子系であることが示された.また,超微細加工によって量子ホール系に極細電極を設けた試料を作製し,エッジ状態の空間分布とブレークダウン現象を詳細に調べた.
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