研究課題/領域番号 |
13304033
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
鵜飼 正敏 東京農工大学, 工学部, 助教授 (80192508)
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研究分担者 |
横谷 明徳 日本原子力研究所, 関西研究所, 副主任研究員 (10354987)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
35,230千円 (直接経費: 27,100千円、間接経費: 8,130千円)
2003年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2002年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2001年度: 18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
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キーワード | シンクロトロン放射光 / 光電子分光 / 液体分子線 / 超励起分子のダイナミクス / 溶液構造の緩和過程 / 水素結合ネットワーク / 放射線損傷の修復 |
研究概要 |
本研究は、単色化シンクロトロン放射光および超励起状態のダイナミクスという方法論と知見を発展させ、気相原子物理学と湿潤生態系の二つの相異なる視点を総合し、溶液環境にある分子の放射線損傷・修復に現れる内殻超励起状態のエネルギー的・溶媒和的構造を明らかにするための新しい分光学的手法の開拓である。これを生体分子あるいは種々の溶質分子を含む水溶液系に適用して研究することを目的とするが、特に水溶液分子の運動性や水和結合ネットワークによる特定構造が照射効果に与える影響という観点から、真空中に発生させた液体分子線に、西播磨SPring-8放射光施設の高輝度軟X線シンクロトロン放射光を用いた光電子分光という先端分光分析を適用し、放射線照射後の溶液構造の緩和過程を研究するものである。 以上に基づき、液体分子線に対する高分解能光電子分光装置を、予備実験とシミュレーション解析に基づき、農工大にて設計・試作・建設・開発し、SPring-8のBL23SUビームラインに設置した。あわせて信号計測系とデータ蓄積・制御システムも新規に開発した。シンクロトロン放射光を用いた実地の性能評価と調整、および、電子ビーム照射による最適化実験によって、シンクロトロン放射光を用いた高分解能光電子分実験技術を確立した。さらに、真空中での安定な液体分子線発生のための様々な付随技術を開発し、軟X線シンクロトロン放射光・液体分子線光電子分光装置を完成した。 以上の装置を用いて、全光電子の測定による液体の水試料に対する酸素原子K殻吸収端領域におけるX線吸収スペクトルを世界ではじめて測定した。これは純水中のクラスターの内殻超励起状態のエネルギーと電子的構造の観測の成功を意味し、その成果は、本年5月にカナダ、バンフにて開催されるDNA損傷に関する国際ワークショップにて招待講演される。 以上のとおり、本研究の計画をほぼ遅滞なく遂行できた。
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