研究分担者 |
綿田 辰吾 東京大学, 地震研究所, 助手 (30301112)
須田 直樹 広島大学, 理学研究科, 助教授 (10222069)
田平 誠 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80024008)
西田 究 東京大学, 地震研究所, 助手 (10345176)
小林 直樹 東京工業大学, 理学系研究科, 助手 (30272660)
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配分額 *注記 |
51,480千円 (直接経費: 39,600千円、間接経費: 11,880千円)
2003年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2002年度: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2001年度: 29,120千円 (直接経費: 22,400千円、間接経費: 6,720千円)
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研究概要 |
未発見の常時大気自由振動の検出を試みるために、昨年度までに東大千葉演習林の南北方向にのびる林道に沿って低消費電力型の超高精度気圧測装置20台、直行方向に7台を等間隔に設置し十字アレーを完成させた。現在、これらは順調に稼動しており、2-3ヶ月に1度データ回収と稼動状況のチェックを兼ねて現地を訪れ観測を継続して、観測データを収集した。 そこで本研究では,収集した気圧計アレーのデータを解析し、長周期大気音波の検出およびその分散の測定を試み、3種類の大気波動(1)大気重力波(〜5mHz),(2)長周期大気音波(0.01〜0.1Hz),(3)音波の脈動(0.1〜0.5Hz)の検出に成功した。特に長周期大気音波は正の分散を示しており,位相速度は0.1Hzで400m/s程度,0.01Hzでは1500m/sに達していることが分かった.つまり0.1Hz付近で音波は水平方向に伝播しているが,0.01Hz付近の音波は鉛直に近い角度で伝播していることが分かる.そのため長周期になるほど,観測された音波はリーキーであると考えられる.また固体地球と共鳴している音波(3.7mHz 4.4mHz)はアレーのスケールが小さ過ぎるため,大気重力波など他の現象と分離することができず検出にはいたらなかった。 長周期大気音波の励起源として有力なのは山岳地域の大気乱流である[Bedard,1978].山岳地域起源の音波は,(1)0.015Hzから0.04Hzの帯域で観測され,(2)その位相速度は350m/sから400m/s程度であり,(3)持続時間は3時間程度で,(4)到来方向は変化せず,(5)冬に振幅が大きいという特徴を持つ.これらの結果は今回の観測と調和的である。 また観測期間中、火山噴火に伴う周期5秒程度の低周波音波発生イベントや、十勝沖地震に伴う気圧変動や火球に伴う衝撃波などのイベント記録の収録にも成功した
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