配分額 *注記 |
47,320千円 (直接経費: 36,400千円、間接経費: 10,920千円)
2003年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2002年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2001年度: 37,050千円 (直接経費: 28,500千円、間接経費: 8,550千円)
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研究概要 |
1680℃,23GPaの温度圧力条件で合成された含水ringwoodite単結晶,Mg_<1.97>SiH_<0.06>O_4につき,高エネルギー加速器研究機構,放射光実験施設,BL-10Aの放射光とダイヤモンドアンビル高圧装置を用いてX線回折強度を7.9GPaまでの各圧力下で測定し解析した.測定された格子定数の圧力変化から,Birch-Murnaghanの状態方程式を用いて得られた体積弾性率は無水のringwooditeの値と変わらないが,H_2O含有量0.2wt%として外挿すると182GPaとなるから誤差の範囲内と考えられる.結合距離の圧力変化の特徴は,Si-O距離は圧力によってほとんど変化せず,Mg-O距離が圧力により顕著に変化している.このことから含水ringwooditeではMg→2Hの置換のため体積弾性率が大きく減少することがわかった. Phase A, Mg_7Si_2H_6O_<14>は地球のマントルの遷移帯に安定領域をもつと考えられている含水相であるが,本研究では1000℃,10GPaで合成されたphase A, Mg_7Si_2H_6O_<14>の構造を9.4GPaまでの圧力下で放射光を用いた高圧下単結晶X線法で測定し,O-H--O距離の圧力依存性を調べた.水素結合に関わるO-H--O距離は圧力とともに減少するが,O-H--O距離の圧力変化がphase AとBrucite, Mg(OD)_2でほぼ同じトレンドを示すことがわかった. 1000℃,21GPaで合成されたδ-AlOOHの単結晶につき,X線回折強度の測定を行った.測定した結晶の化学組成は(Al_<0.84>Mg_<0.07>Si_<0.09>)H_<0.98>O_2で,かなりの量のMgとSiが含まれる.空間群は対称心の無いPnn2と決定された.結晶構造を精密化した後,差フーリエ合成によって水素原子の位置を求めた.その結果H1とH2の2種類の水素原子位置が見出された.これは,H1がAlOOHに対応し,H2がMgOOH_2に対応するものであることを示す.このことはMgOOH_2がδ-AlOOHやStishovite, SiO_2と同じルチル構造の結晶構造を持つことを示すもので,MgOOH_2の高圧相の存在の可能性を示唆する. Topaz, Al_2SiO_4(OH, F)_2は地球の上部マントルにおけるAl含む重要な含水鉱物であるが,900℃までの高温下粉末X線法による結晶構造の解析,6.2GPaまでの高圧下単結晶X線法による結晶構造の解析,1000℃までの高温下での赤外吸収スペクトル測定,30.4GPaまでの高圧下での赤外吸収スペクトル測定を行い,OHの配向の温度変化と結晶構造との関係を明らかにした.
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