配分額 *注記 |
51,480千円 (直接経費: 39,600千円、間接経費: 11,880千円)
2003年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2002年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2001年度: 25,480千円 (直接経費: 19,600千円、間接経費: 5,880千円)
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研究概要 |
アリルシランを用いるシリカゲル表面への新規担持法を見出し,BINAP誘導体などの有機化合物をはじめてシリカゲルに担持することに成功した.一般に用いるシリカゲル修飾化合物は末端にアルコキシ基などの加水分解されやすい脱離基を持っているため蒸留以外の精製法は困難であるのに対し,アリルシランを末端にもつシリカゲル修飾化合物では,カラムクロマトグラフィーなどを用いる有機化合物の一般的精製法の使用が可能になった.この方法により様々な純度の高い有機化合物をシリカゲル表面に均一に担持できるようになった.またこのアリルシラン担持法を用いたシリカゲル表面修飾を種々の不斉ホスフィン配位子の担持へと実際に応用した.アリルシリル基をもつアミン,イソシアネートやグリニャール試薬の合成法を新たに開発し,これらを不斉ホスフィン配位子との結合試薬として用いることにより,フェロセン面不斉をもつビスホスフィンであるBPPFA,ヒドロキシプロリンから誘導されるビスホスフィンであるCAPP,オキサゾリン骨格をもつホスフィンであるi-Pr-PHOXをシリカゲル表面に固定することに成功した.これらのシリカゲル担持不斉ホスフィン配位子がロジウム触媒不斉水素化反応によるアミノ酸の不斉合成やパラジウム触媒アリル位不斉アルキル化反応に効果的な配位子であることを示した.またそれぞれの反応において固相担持触媒の利点である触媒系の回収・再使用を実現した.これらの触媒的不斉反応によって得られた実験技術や知見は不斉ホスフィン配位子ばかりではなく他の有機化合物の固相担持に応用できる. 固相担持の新法開発の他に,ロジウム触媒を用いた有機金属試薬の不斉1,4-付加やパラジウム触媒不斉ヒドロシリル化などなどでも良好な成果を得た.
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