配分額 *注記 |
47,710千円 (直接経費: 36,700千円、間接経費: 11,010千円)
2004年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2003年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2002年度: 21,580千円 (直接経費: 16,600千円、間接経費: 4,980千円)
2001年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
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研究概要 |
これまでに確立した高濃度窒素添加ダイヤモンドからの電子放出を説明するモデルの信憑性を確認するため,電子放出特性を確認していた多結晶ダイヤモンドではなく,ホモエピタキシャルダイヤモンド・ヘテロエピタキシャルダイヤモンドの電子放出特性に関して考察した.アノード・カソード間の距離を変化させて放出電流-アノード電圧特性を計ることで,真空中の電界を見積もることと,RHEED,Hall測定,REELS,ラマン分光等の結果から,提唱したモデルの妥当性を確認した.今後はダイヤモンドに表面処理を行う前と行った後の,窒素添加ダイヤモンドからの電子放出特性を比較し,表面状態の変化が電子放出特性に及ぼす影響を考察した. また本研究の最終目的である撮像管の開発に向け,高濃度窒素添加多結晶CVDダイヤモンドを冷陰極に,光導電性を示すアモルファスセレン膜を陽極に用いた二極・三極構造光検出器を試作した.その結果より,高濃度窒素添加CVDダイヤモンドを冷陰極に用いることで従来の撮像管より低電圧駆動,低真空動作,長寿命の特徴を有するような撮像デバイスの可能性が示唆された.一方,長時間動作後のアモルファスセレンには構造劣化が起こり,光レスポンスが著しく悪くなることも併せて確認された.この劣化を防ぐため、アモルファスセレン膜にヒ素を添加した.熱を与えることによって故意に劣化を促し、ヒ素添加による効果を見積もった。その結果,ヒ素添加膜の方は劣化による低抵抗化は見られなかったものの光伝導度はほとんど見られない事は分かり,一方のヒ素未添加アモルファスセレン膜は光伝導度は大きいものの,70℃以上の温度で加熱すると劣化による著しい低抵抗化がみられた.この結果から,劣化が少なく,かつ光伝導度の大きい膜を得るためにはヒ素添加量を最小限に抑える必要が明らかとなった。
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