配分額 *注記 |
43,290千円 (直接経費: 33,300千円、間接経費: 9,990千円)
2003年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2002年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2001年度: 19,500千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
本研究では,マイクロディスクと呼ばれる微小共振器レーザのさらなる微小化,低しきい値化,パーセル効果などの自然放出制御効果の発現,集積化ならびにフォトニック分子と呼ばれる新しい集積化の概念創生に向けた研究を行った.まずGaInAsPマイクロディスクの光励起による室温連続発振を実現した.最小直径はこれまで実現されている同レーザでは最も小さい1.7ミクロン,光励起の実効しきい値は19マイクロワットと極めて低かった.この値はGaInAsP系では世界最小の値である.また電極を集積化して電流注入発振を実現すると共に,ポリマー材料で同レーザを埋め込んだときに波長が温度無依存化することを見いだした.さらにディスク側面をギア形状に加工することで,共振器のQ値が高められることを見いだした.これをマイクロギアと名付け,実際に製作を行ったところ,直径2ミクロンの素子で上記の記録を破る14マイクロワットの低しきい値を実現した.さらにこのレーザの自然放出光係数を厳密測定し,これまででレーザに対して報告されている最高記録に近い0.1という値を得た.さらに時間分解ならびにいそう分解測定法によって自然放出光の減衰波形を測定し,これよりパーセル係数6.7という値を室温で初めて測定することに成功した.また,多数のマイクロディスクを面内に集積化することを試み,ディスク間の近接間隔0.1ミクロン以下で相互結合させることに成功した.これはモードの分裂という形で現れ,結合を示すモードの反交差特性やミニバンド形成が明確に観測された.さらにこの素子では極低しきい値での双安定性が得られ,今後,微小光メモリなどの機能素子への展開が可能になった.
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