研究課題/領域番号 |
13305018
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
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研究機関 | 北海道大学 (2003) 徳島大学 (2001-2002) |
研究代表者 |
三澤 弘明 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30253230)
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研究分担者 |
坪井 泰之 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00283698)
JUODKAZIS Saulius 徳島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80332823)
松尾 繁樹 徳島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20294720)
棚村 好彦 北海道大学, 電子科学研究所, 助手
ANDRIUS Marcinkevicius サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 非常勤研究員
VYGANTAS Mizeikis サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 非常勤研究員
山口 央 サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 非常勤研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
56,290千円 (直接経費: 43,300千円、間接経費: 12,990千円)
2003年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2002年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2001年度: 41,080千円 (直接経費: 31,600千円、間接経費: 9,480千円)
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キーワード | ナノマシン / ナノアクチュエーター / 光マニピュレーション / DNA / 金コロイド / 表面プラズモン共鳴 |
研究概要 |
本申請研究ではDNA鎖の物性物理を明らかにするとともに,DNA鎖を用いたナノアクチュエーターの開発を行った。 1.光の放射圧を駆動力としてDNA鎖を伸縮させるためには,基板上へ固定化したDNA鎖の末端に金コロイドを修飾する必要がある。金コロイドおよび金薄膜に対するDNA分子の接着はビオチン/ストレプトアビジンの抗原抗体反応,およびチオール基を利用した化学結合により行い,金薄膜上における金コロイド修飾DNA分子の固定化を確認した。 2.Nd:YAGレーザーと光学顕微鏡からなる光マニピュレーション装置を用いたDNA伸縮操作システムを開発した。本システムを用いて,水溶液中でλDNAのマニピュレーション操作を行ったところ,光を用いてDNA分子を捕捉,運動操作可能であることを見出した。 3.金薄膜-金コロイド間の距離を光によって制御し,それぞれにおける表面プラズモン共鳴(SPR)信号を検出するために,He-Neレーザーを光源としたSPR測定システムを開発した。金薄膜上に固定化した金コロイド修飾DNA分子の挙動を観察したところ,一本鎖と二本鎖のDNA分子ではSPR信号に顕著な差が現れることを確認し,鎖状態によってDNA分子の物性(長さや弾性)に違いが生じることが示唆された。 4.DNA単分子層の表面に位置する金コロイド上にさらに金コロイド修飾DNA分子を積層させた系を構築した。本法により現在までのところDNA5分子積層を実現しているが、原理的には更なる積層が可能である。積層数に応じて顕著な正のSPR角度シフトが観測され、多層化に伴うSPR応答の増強が示された。SPR応答の変化はDNA分子の長さ等により異なり、DNAの物理的性質を反映している。したがって、DNAの多層化に伴うSPR応答の増大は、多層化がナノアクチュエーターの駆動に有効にはたらくことを示唆する結果であり、本研究はDNA分子がナノアクチュエーター材料として有為であることを示したといえる。
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