研究課題/領域番号 |
13305048
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
野上 正行 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (90198573)
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研究分担者 |
村瀬 至生 産業技術総合研究所, 関西センター, 主任研究員
早川 知克 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (00293746)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
53,040千円 (直接経費: 40,800千円、間接経費: 12,240千円)
2003年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2002年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2001年度: 38,740千円 (直接経費: 29,800千円、間接経費: 8,940千円)
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キーワード | ホールバーニング / ガラス / 希土類イオン / メモリー / ゾルゲル / スペクトルホールバーニング / PSHB / ゾルゲル法 / Smイオン / アルミノシリケートガラス / X線照射 / 光ブリーチング / 常温 / ガラス欠陥 |
研究概要 |
スペクトルホールバーニングは光スペクトル上の選択された波長にホールを開けるもので、これを記録ビットに用いることで、現在の記録材料の密度を一挙に10^4倍にまで向上できるとされている。常温で永続的なスペクトルホールバーニング(PSHB)を示す希土類イオンドープガラスを開発し、ガラスの持つ優れた透明性と生産性を活かした空間及び波長軸を制御した超高密度ガラスメモリーの実現を目指し、本研究は、ガラス組成、作製条件及びレーザー光照射などのPSHBへの影響について検討した。 ゾルゲル法によって作製したSm^<3+>イオンEu^<3+>イオンを水素雰囲気中で加熱したり、X線やレーザを照射することで、Sm^<3+>イオンがSm^<2+>イオンに還元されることがわかった。このようにして作ったSm^<2+>イオンドープAl_2O_3-SiO_2系ガラスやEu^<3+>イオンドープAl_2O_3-SiO_2系ガラスにPSHBを形成させることに成功した。ゾルゲル法で作成したガラスのPSHB特性の特徴として、ホール形成は、希土類イオンに配位するOH結合のレーザ光照射による結合変化によるものであることを示し、ホール深さは、ガラス中に含まれるOH基の増加とともに深くなることを明らかにした。また、OH基を含まないガラスについても、Sm^<2+>イオンを含むガラスと、X線やレーザ光を照射しして作製したEu^<3+>イオンを含むガラスで、室温でも安定なPSHB形成ができることを示した。さらに、X線を照射してSm^<2+>イオンに還元したガラスでは、PSHB形成が早く、数秒間のレーザ照射でも十分なPSHBの生じることを見出した。これは熱還元で生じたSm^<2+>イオンのそれより、100倍以上早いものであった。PSHB形成はSm^<2+>イオン生成反応とは逆の反応で、Sm^<2+>イオンから酸素イオンへの移動によるものであると考えられ、Alイオンの存在がPSHB形成ガラスに重要であることがわかった。 本研究の結果、室温でもスペクトル上に安定したホールを形成できるガラスを作製できたと言える。ガラスのもつ高い透明性と成形性を考え、本研究の成果をさらに発展させることで、メモリーの開発に繋がると期待される。
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