配分額 *注記 |
13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2003年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2002年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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研究概要 |
ニアフィールド走査プローブ顕微鏡(SNOM)を用いて過渡吸収や励起エネルギー移動の距離依存性を測定する多機能型SNOMの開発と応用を目指すと共にニアフィールド光を利用したナノ加工の研究も遂行した。 1.誘導性高分子の構造 種々の導電性高分子の構造を時間分解SNOMで解析し,湿度に依存したメゾスコピック構造が観測されること,および混合高分子系における励起エネルギー移動と相分離構造の関係を見いだした。 2.酸化チタンへの電子移動 酸化チタン薄膜上の導電性高分子の電子移動ダイナミクスの場所依存性を解析した。その結果熱処理したTiO_2薄膜の電子移動効率が一番良く,ガラス基盤上とは対照的に,場所による蛍光ダイナミクスの差が余り見られず,エネルギー伝達および電子移動の分布の重要性を明らかにした。 3.励起エネルギー移動の距離依存性 試料を局所的に励起し,励起エネルギーが試料中をどの程度の距離にわたって移動しているのかを解析できるシステムをNAの大きな油浸対物レンズとSNOMを組みあわせて作製した。 4.フェムト秒顕微過渡吸収分光とナノ加工 フォトニック結晶ファイバーに増幅しないTi : sapphireレーザーを導入して白色光を発生させると共に,500nm以上の波長範囲で10^<-7>程度の微弱な過渡吸収測定が可能な顕微過渡吸収測定システムをはじめて作製した。このポンプ-プローブ分光法は,微弱吸収の測定が可能であるので種々の系への応用が可能であると共に,吸収や蛍光SNOMの光源としても有望である。さらにカンチレバー型SNOMを用いたニアフィールド非線形分光システムも開発し,微結晶内部のSHG不均一性を解明した。さらに,フェムト秒レーザーとSNOMを組み合わせ,薄膜結晶のナノ加工が可能であることを実験的に示した。 5.半導体ナノ微粒子とナノワイヤ CdS, CdTeの半導体ナノ微粒子およびナノワイヤの作製を試み,そのダイナミクスのサイズ依存性をフェムト秒〜ピコ秒分光で解析した。また有機ナノ微粒子を再沈法とレーザーアブレーション法で作製し,分光学的特性をSNOMで解析した。
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