研究課題/領域番号 |
13305062
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
植村 榮 京都大学, 工学研究科, 教授 (70027069)
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研究分担者 |
武隈 真一 近畿大学, 理工学部, 助教授 (00171629)
西村 貴洋 京都大学, 工学研究科, 助手 (50335197)
西林 仁昭 京都大学, 工学研究科, 助手 (40282579)
山口 仁宏 近畿大学, 理工学部, 講師 (30200637)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
55,120千円 (直接経費: 42,400千円、間接経費: 12,720千円)
2002年度: 17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2001年度: 37,830千円 (直接経費: 29,100千円、間接経費: 8,730千円)
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キーワード | フラーレン / シクロデキストリン / 大環状化合物 / 不斉還元 / 窒素固定 / アンモニア / ヘテロ元素 / 包接化合物 / 不斉還元反応 / ケトン / アルコール |
研究概要 |
γ-シクロデキストリンまたはヘテロ原子を持つ超大環状化合物とフラーレン(C_<60>)とから合成できる安定なバイキャップ型及び土星型超分子錯体を合成・単離し、フラーレンには見られないユニークな物性・機能を解明することを目的として以下の研究を行った。 C_<60>とγ-シクロデキストリンとから合成できるバイキャッフ型C_<60>錯体(1)を水素化ホウ素ナトリウムと反応させることで、対応するバイキャップ型C_<60>^<2->錯体(2)を高選択的に発生させる方法を見出した。この電子移動反応をC_<60>を包接しているγ-シクロデキストリンの不斉環境に基づくプロキラルケトンのエナンチオ選択的な不斉還元反応に応用し、対応する光学活性アルコールを得ることに成功した。得られたアルコールの不斉収率は最高48%eeであった。 バイキャップ型C_<60>錯体(1)に窒素分子が配位し活性化されていることは、赤外吸収スペクトル、熱重量及び示差熱分析等により確認されている。これらの研究背景を基に、1を用いた窒素固定を検討した。1と過剰量の還元剤である次亜硫酸ナトリウムとを60℃で1時間反応させた結果、1を基準にして最高33%の収率でアンモニアが生成していることが確認された。本反応で生成したアンモニアは化学量論量にすぎないが、この研究成果は、金属を用いずに、炭素、酸素及び水素とからなる1を用いて窒素固定に成功した世界最初の例である。また、C_<60>の新しい機能としても注目に値する。 一方、酸素、窒素や硫黄などのヘテロ原子を持つ超大環状化合物の合成にも成功し、これらの化合物をC_<60>と反応させることで、対応する土星型超分子錯体が生成していることをスペクトル的に確認することができた。さらに、合成に成功した超大環状化合物の金属イオンに対する包接能を検討した。特に、ある種の窒素原子を含む大環状化合物が特異的にアンチモン(V)イオンと錯形成する能力があることを見出した。
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