研究分担者 |
中西 啓仁 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80282698)
西澤 直子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70156066)
北原 武 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40087573)
長谷川 和久 石川県農業短期大学, 附属農場, 教授 (10070848)
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研究概要 |
1)この2年間は,われわれが過去15年の間にオオムギからクローニングしたムギネ酸生合成系路上の遺伝子群のうち,Ids2(Iron deficiency specific clone no.2)とIds3(Iron deficiency specific clone no.3)に関して,その上流解析を行ってきた.すなわち,両遺伝子は鉄欠乏のオオムギ根で特異的に発現する.そこで,これらの遺伝子はこれまで植物で解明されていない「鉄欠乏応答シスエレメント」を有しているはずであるので,その同定作業にとりかかった.約2kbのIds2プロモーターを大まかに分断し,それぞれの断片のpromoter-GUSをタバコに導入し,まず500base上流の最小の鉄欠乏応答性シス領域があること画あることを見出した.この500baseの領域をさらに3'側と5'側から削った各数種類のpromoter-GUSのディリーションシリーズを作成し,タバコに導入し,40塩基ずつの2カ所のシス領域を確定した.さらにこのうちの1つの領域に関して,この40塩基に3塩基ずつ変異を導入したディリーションジリーズを作成し,ほぼ19塩基の有効な鉄欠乏応答性シスエレメントを確定した.現在,もう一方の40塩基の領域に関しても同様な手法で領域を狭めて有効な鉄欠乏応答性シスエレメントを確定する努力をしている.2)オオムギのニコチアナミンアミノ基転移酵素遺伝子(NAAT)をタンデムに連結して,イネに導入して,アルカリ土壌を用いてポットでの鉄欠乏耐性を検定した.二世代検定し,有望な株を選抜した.
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