研究課題/領域番号 |
13306016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
青木 宙 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00051805)
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研究分担者 |
廣野 育生 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (00270926)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
33,540千円 (直接経費: 25,800千円、間接経費: 7,740千円)
2002年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2001年度: 24,440千円 (直接経費: 18,800千円、間接経費: 5,640千円)
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キーワード | ヒラメ / 生体防御 / 免疫 / 遺伝子発現ネットワーク / マイクロアレイ / DNAワクチン / リアルタイムPCR / T細胞 |
研究概要 |
細胞性免疫に重要であり、生体防御・免疫ネットワークシステムの基点となるT細胞の表面抗原認識分子であるT細胞レセプターについてヒラメを用いて解析を行い、魚類においても4タイプ全ての遺伝子が存在することを世界で初めて明らかにするとともに、ゲノム上での構造についても明らかにした。さらに、免疫ネットワークシステムを制御している免疫・生体防御に関連する遺伝子の転写制御因子であるC/EBPファミリーに属するC/EBPεおよびβについて、ヒラメよりそのcDNAをクローン化し、構造を明らかにした。さらに、これらの転写因子が発現している臓器がそれぞれ異なり、遺伝子発現の特異性があることがわかった。 魚類の生体防御・免疫ネットワークシステムを詳細に解明するために、これまでにヒラメよりクローン化した871種類(371種類の機能未知遺伝子を含む)の異なるcDNAをスポットしたマイクロアレイを用いてヒラメの遺伝子発現解析を行った。ヒラメの腎臓細胞をLPSで1時間刺激したところ、スポットした遺伝子の約3%に当たる25種類の遺伝子において発現の増減が確認された。さらに、同じ刺激で6時間後には約6%に当たる51種類の遺伝子において発現量の変化が見られた。ConA/PMAで刺激した場合、刺激1時間後では62種類の遺伝子の発現が、刺激6時間後では26種類の遺伝子の発現が変化した。発現量が変化した遺伝子としてサイトカインやそれらの転写因子等が見られた。機能未知遺伝子においても、発現量に変化が見られた遺伝子が存在した。また、刺激が異なると発現に変化が見られる遺伝子の種類にも違いが見られた。 魚類の免疫応答ネットワークシステムを解明するために、ヒラメラブドウイルス(HRV)に対するDNAワクチンを接種により、どのような遺伝子の発現に変化が見られるかを、ヒラメcDNAマイクロアレイにより解析した。HRVのG-protein遺伝子あるいはN-protein遺伝子発現プラスミドをヒラメに接種後1、3、7、14および28日のヒラメの腎臓において、ベクタープラスミドのみを接種したものと比べて、G-protein遺伝子接種魚では、全体の2.5%、N-protein遺伝子接種魚では、全体の2.6%の遺伝子の発現量が2倍以上増加していた。G-protein遺伝子接種魚とN-protein遺伝子接種魚において共通に発現している遺伝子は30%で、残りの70%は異なる遺伝子であり、抗原となるタンパク質の違いにより、免疫応答ネットワークシステムの働きが異なることが明らかとなった。また、DNAワクチンとして有効であるG-protein遺伝子接種後7日目において、種々のインターフェロン誘導タンパク質の発現上昇が顕著であることがわかった。
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