研究分担者 |
青山 咸康 京都大学, 農学研究科, 教授 (20026561)
間藤 徹 京都大学, 農学研究科, 助教授 (50157393)
宇波 耕一 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10283649)
前田 滋哉 京都大学, 農学研究科, 助手 (00346074)
平松 研 京都大学, 農学研究科, 講師 (90271014)
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配分額 *注記 |
61,620千円 (直接経費: 47,400千円、間接経費: 14,220千円)
2004年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2003年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2002年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2001年度: 25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,現地(ガーナ大学農業研究所内)にマイクロダム及びその受益農地を新たに構築して,流出農業型雨水ハーベスティング(Rainwater Harvesting/R-H)による小規模灌漑スキームを構築する際のR-Hシステムの最適な計画,設計,管理方法,R-Hによる灌漑が農業生産力の増大に及ぼす効果と最適な作物生産体系について実証的に研究を進め,乾燥・半乾燥地域における水戦略オプションとしてのR-Hの持つ有効性を明らかにすることにある.マイクロダムサイトに設置した気象観測ロボットによって得た水文デーにより降雨特性等について詳細な解析を行った.また,GIS(地理情報システム)を援用し,雨水集水域からの流出特性を解析するために,有限体積法による新規な二次元流出解析モデルを構築した.これらの分析・解析結果並びに現地サイトの地形・地質調査結果から,マイクロダムの位置,形式の選定を行うとともに,洪水吐についてその形式と規模を決定した.これらを基として構造物の詳細設計を行い,マイクロダム,送水路,試験圃場からなる灌漑スキーム全体を完成させた.マイクロダムの建設に関しては,設計要件や施工品質を限界にまで緩和した上で,適切に技術指導(技術移転)を行うならば,比較的経済的に,ガーナ等の途上国においては先例を見ない水準の本格的で耐用年数の長い(洪水吐の設計洪水量:100年確率)貯水池が建設できることが明らかとなった.また,圃場の土壌水分状態に応じてマイクロダムより補給灌漑を行う適応型節水灌漑を最適として,水管理と水使用の効率性の両面からその有効性を検証し,同時にR-Hによる灌漑が作物収量の増大に及ぼす効果を定量的に分析・評価するために新たな数値モデルを開発した.現在,試験圃場内でメイズ栽培を行って各種のデータを取得しつつあり,今後も研究を継続して,R-Hによる灌漑が農業生産力の増大に及ぼす効果と最適な作物生産体系に関してより総合的な視点から検討を進めていく予定である.
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