配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2004年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2003年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2002年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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研究概要 |
脂質滴は脂肪細胞など特殊に分化した細胞だけでなく,ほとんど全ての細胞にあると考えられる.脂質滴の機能は過剰な脂質の貯蔵であると推測されてきたが,最近の結果はそれ以外の重要な機能の存在を示唆する.今回の研究では,おもに非脂肪細胞での脂質滴の構造と機能を明らかにすることを目的として実験を行った.おもな結果を以下に列挙する. 1)カベオリン,特にカベオリン-2βが脂質滴表層に親和性を持ち,そのターゲッティングには分子中央部分の疎水性領域が必要である.カベオリン-1,カベオリン-2αなどは脂質滴以外に局在するが,小胞体・ゴルジ間の輸送を阻害すると脂質滴にターゲットされた. 2)脂質滴表層はコレステロールを含む燐脂質一重層である.脂質滴表層の燐脂質の脂肪酸は小胞体やラフトと異なり,不飽和脂肪酸を持つリゾ体など,特異な組成を示した. 3)非脂肪細胞の脂質滴に特異的なADRP(adipophilin)のターゲッティングはカベオリン-2とは異なる配列で規定される.ターゲッティングに必要な配列はN末,C末に重複して存在した. 4)ADRPはARF1と結合する性質を持ち,ARF1-GDPまたはBrefeldin Aの作用で脂質滴から脱落した. 5)脂質滴の質量分析で同定したRab18は脂質滴に特異的に局在した.Rab18の過剰発現はADRPを脂質滴から脱落させるとともに,脂質滴と小胞体の密着構造を形成させる.同様の構造はADRPのノックダウン,Brefeldin A処理でも認められた. これらの結果は,脂質滴が単なる過剰な脂質の貯蔵だけでなく,種々の重要な機能,特に細胞内脂質輸送・代謝に関する機能を担う可能性を明らかにした.
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