研究課題/領域番号 |
13307013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
審良 静男 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (50192919)
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研究分担者 |
星野 克明 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50324843)
竹田 潔 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20309446)
改正 恒康 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60224325)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
55,900千円 (直接経費: 43,000千円、間接経費: 12,900千円)
2002年度: 21,580千円 (直接経費: 16,600千円、間接経費: 4,980千円)
2001年度: 34,320千円 (直接経費: 26,400千円、間接経費: 7,920千円)
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キーワード | 自然免疫 / TLR / シグナル伝達 / ノックアウトマウス / MyD88 / 感染症 |
研究概要 |
TLRを介した細胞内シグナルでは、MyD88がすべてのTLRを介した炎症反応の誘導に必須であるが、MyD88非依存性のシグナルの存在も明らかになっている。最近MyD88と同じTIRドメインを有するアダプターとしてTIRAPが同定され、細胞レベルの解析から、TLR4に特異的に会合することが示された。TIRAPの生理機能を、遺伝子欠損マウスを作製することにより解析した。TIRAP欠損マウスでは、LPSによる炎症性サイトカインの産生が、MyD88欠損マウスと同様に認められなかった。TLR3,TLR7,TLR9リガンドへの反応性は正常であった。しかしながら、TLR2リガンドによる炎症性サイトカインの産生も顕著に障害されていた。また、LPS刺激により、MyD88非依存性に誘導されるIFN誘導性遺伝子の発現や樹状細胞の成熟がTIRAP欠損マウスでも正常に誘導された。さらにTIRAP/MyD88二重欠損マウスでも、IFN誘導性遺伝子の発現や樹状細胞の成熟が正常と同様に観察された。以上の結果から、TIRAPはTLR2とTLR4を介したMyD88依存性のシグナル伝達に特異的に関与していること、MyD88非依存的なシグナルには関与していないことが明らかになった。このことは、TIRドメインを有するアダプターTIRAPがTLR2,TLR4のシグナルの特異性を規定していることを示しており、他にもTIRドメインを有するアダプターが、他のTLRファミリーの細胞内シグナルや、MyD88非依存性のシグナルに関与している可能性を示唆している。そこで、TIRドメインを有する分子をデータベースで検索した。その結果、TIRドメインを持つ新規アダプターTRIFを同定した。TRIFを293細胞に発現させると、MyD88,TIRAPほど強くはないがNF-κB依存性のプロモーターを活性化する。さらに、MyD88,TIRAPとは対照的にTRIFは、IFN-βプロモーターの活性化を誘導した。TLRファミリーの中でTLR3に認識される二本鎖RNAは、IRF-3の活性化を通じてIFN-βの発現を誘導する。293細胞にドミナントネガティブ型TRIFを発現させると、TLR3刺激によるIFN-βプロモーターの活性化を抑制した。以上の結果から、TRIFはTLR3を介したIFN-β誘導のシグナルに関わるアダプターであることが示唆された。
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