配分額 *注記 |
54,860千円 (直接経費: 42,200千円、間接経費: 12,660千円)
2004年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2003年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2002年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2001年度: 17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
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研究概要 |
1.優性遺伝形式腎性尿崩症AQP2変異の発見とその病態生理の解析:AQP2水チャネルは常染色体にその遺伝子座があるため、通常は劣性遺伝形式をとる。しかしながら優性遺伝形式をとる家計を3家系、後にさらに2家系解析し、その変異を検索したところ、全てヘテロにC末の部分にフレームシフトを引きおこすdeletionをみとめ、その結果本来ない余分な共通の配列をC末に持つことが示された。その病態を探るためMDCK細胞において変異体を発現する安定株を作成し、その細胞内局在を調べると、本来野生型がapical側に局在するのに対し、basolateral側に変異体は局在した。さらに共発現させると、野生型も変異型に引きづられ、apicalからbasolateral側へ局在するようになり、このdominant negative効果が病態の本質であることが示唆された。その後、この余分な配列内にLLモチーフが存在し、これがbasolateralシグナルとなっていることも明らかにした。以上のメカニズムが生体内でもおきているかを探るため、AQP2プロモータ下に変異AQP2を発現させるトランスジェニックマウスを作成した。残念ながら発現レベルが低く、尿崩症を引きおこすには至らなかったが、細胞内では一部の集合管細胞で、MDCK細胞で見られたミスソーティングが確認された。さらに発現量を確保するために、ジーンタゲティングの手法にてノックインマウスの作成も終了した。明らかな尿濃縮障害、basolateral側への変異AQP2の染色など、本当の疾患モデルマウスが作成でき、現在解析中であるとともに、治療法開発を視野に入れて、siRNAをもちいた変異RNAを特異的に阻害する試みも行っている。 2.AQP7,11,12ノックアウトマウスの作成:各々のマウスの作成は成功し、AQP12については、基礎的な検討から細胞内膜系の水チャネルと考えられため、膵臓の消化酵素等の分泌に関わる可能性を念頭に解析している。 3.WNKキナーゼの上皮輸送に対する影響に関する検討を行い偽性低アルドステロン症II型の分子病態生理を明らかにした。
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