配分額 *注記 |
43,160千円 (直接経費: 33,200千円、間接経費: 9,960千円)
2003年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2002年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2001年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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研究概要 |
1.各種口腔癌培養株に対する各種薬剤の障害効果とその機構の検索 アポトーシスの誘導,腫瘍選択性,MDR耐性の克服活性,マクロファージ活性能あるいは抑制能について検討した。その結果,アポトーシスを誘導する化合物が、必ずしも腫瘍選択性が高いとは限らないことが判明した。種々の植物から,MDRを克服する成分を部分精製した。ほとんどの低分子ポリフェノールは,LPS刺激マクロファージのNO産生を抑制した. 2.口腔癌原発巣におけるp53遺伝子変異の検索 口腔癌患者33例からの生検材料を用いて,p53遺伝子変異の検索を行った. まずp53抗体を用いて免疫組織化学的検索を行った結果,33例中18例(54.5%)に陽性所見を認めた.p53 exon 5〜8における遺伝子変異の有無をPCR-SSCPでscreening後,direct sequencingにて検索したところ,14例(42.4%)に点突然変異を見出した.前年度と併せて,19/54(35.2%)例にp53遺伝子変異を検出した. 3.癌患者個々の癌組織の抗癌剤感受性検査 Case 1.:5-FU:78.2%,CDDP:69.2%,PEP:0%,TXL:60%,254-S:83.5%;Case 2.:5-FU:53.2%,CDDP:46.3%,PEP:41.1%,TXL:73.3%,254-S:68.8%;Case 3.:CDDP:48.8%,PEP:33.2%,TXL:90.3%,254-S:67.9%;Case 4.:informed concentが得られなかった.Case 5:腫瘍の増殖が悪く,assayできなかった.Case 6.:5-FU:37.8,CDDP:27.1,254-S:52.9,TXL:62,PEP:3.9(%);Case 7.:CDDP:27.1,PEP:83(%) 4.口腔癌患者個々の癌組織からの培養株の樹立とリンパ球活性化療法の基礎的検索 口腔癌組織からの培養株の樹立を検討中であるが,現在までのところ症例数が少なく,成功していない.そのためまず,健常人から末梢血単核球を採取し,単球よりIL-4とG-CSFを用い樹状細胞(DC)を調整した.既存の癌細胞株(HSC-2,-3,-4,KB, Ca9-22)におけるVEGFの発現を検索したところ,いずれの培養株においてもVEGFの発現,分泌が認められ,特にCa9-22に最も強くみられた.そしてCa9-22の培養上清を用い,単球のDCへの分化誘導に対する影響をin vitroで検索したところ,著しく抑制的に作用することを確認した.さらに癌患者の腫瘍局所および末梢血中において,VEGFは増大しDCは減少傾向を示した.このことからVEGFの作用を抑制することがリンパ球活性化療法成功の鍵であると思われた.
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