研究分担者 |
前田 勝正 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117243)
安孫子 宜光 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050086)
川浪 雅光 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10133761)
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
和泉 雄一 鹿児島大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60159803)
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配分額 *注記 |
53,950千円 (直接経費: 41,500千円、間接経費: 12,450千円)
2003年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2002年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
2001年度: 31,460千円 (直接経費: 24,200千円、間接経費: 7,260千円)
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研究概要 |
1)無血清で培養した歯根膜線維芽細胞はラミニン-8/9(α4β1γ1/α4β2γ1)を分泌して,株化歯肉上皮細胞の走化性を誘導し,歯肉上皮の深行増殖に関与することが示唆された。(大塚吉兵衛) 2)ビーグル犬に外科的骨欠損を作成し,歯根面にBMP-2を塗布するとその濃度依存的に歯槽骨の再生を誘導することが示された。(川浪雅光) 3)ヒト歯肉上皮細胞と線維芽細胞とで発現遺伝子のトランスクリプトーム解析を行い,2.1倍以上発現差がある遺伝子種を上皮細胞590,線維芽細胞440同定した。RT-PCRの結果,発現差の大きい遺伝子は上皮細胞でdesmocollin,keratin-5,VAC-β,線維芽細胞でvimentin,gp130,caveolin-2であった。(安孫子宜光) 4)多層性線維芽細胞シート形成における細胞外マトリックスの役割を調べた結果,テネイシンがヒト歯肉線維芽細胞の多層性増殖を促進させることを明らかにし,歯周組織再生療法に使用する移植材の開発に応用可能であることを示唆した。(前田勝正) 5)ラット口蓋側歯肉由来の上皮細胞がCD80分子を発現し,IFN-γと抗原存在下でMHC classIIおよびB7-1を介してT細胞応答を誘導することを示した。(和泉雄一) 6)mCD14を歯肉線維芽細胞に強制発現させ,P.gingivalis刺激を行ったところ,mCD14を介する場合はPTK,PKC,PKA/PKG,CaMKが,sCD14を介する場合はPTK, PKCが活性化されたことから,認識機構の違いで細胞活性化が異なることを明らかにした。(島内英俊) 7)歯根膜線維芽細胞のCbfa-1発現,ALP活性,石灰化能に及ぼすエムドゲインの影響を調べた結果,エムドゲインにBMP-2が含まれる可能性は低いことが判明した。(奥田一博) 8)株化ヒト歯肉線維芽細胞(Gin-1)のヒアルロン酸(HA)合成酵素としてHAS2が,分解酵素としてHYAL2,MGEA5が同定された。(渋谷俊昭) 9)歯肉上皮細胞のiNOS mRNA発現はIL-1βとTNF-α,アデノシンRAである2CADOまたはIL-15の刺激によって誘導された。また,SV40-transformed歯肉上皮細胞を2CADO刺激するとNO産生とiNOS mRNA発現が誘導された。歯肉線維芽細胞はCD73を介してアデノシンを産生した。(島袋善夫) 10)線維芽細胞上にHLA-抗原ペプチド-T細胞受容体複合体が形成されるとJNKの活性化を介して,RANTES等のサイトカイン産生が誘導されることを示した。(西村英紀) 11)ラットにおけるサイクロスポリンA誘発性歯肉増殖症には,インテグリンα2発現を制御するAP-1構成サブユニットであるc-fos発現抑制が関与する可能性が示唆された。(片岡正俊) 12)IFN-γはヒト歯肉線維芽細胞のコラーゲン貪食能を低下させたが,コラーゲン貪食自体は線維芽細胞の細胞応答性に影響を及ぼさなかった。(小林 誠)
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