研究課題/領域番号 |
13307065
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
長尾 拓 国立医薬品食品衛生研究所, 所長, 所長 (30217971)
|
研究分担者 |
赤羽 悟美 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00184185)
黒瀬 等 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (10183039)
川西 徹 国立医薬品食品衛生研究所, 所長 (40124383)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
54,470千円 (直接経費: 41,900千円、間接経費: 12,570千円)
2002年度: 25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2001年度: 28,600千円 (直接経費: 22,000千円、間接経費: 6,600千円)
|
キーワード | 活性酸素 / 酸化ストレス / Gタンパク質 / 7回膜貫通型受容体 / Ca^<2+>シグナル / Ca^<2+>チャネル / 心筋細胞 / 心肥大 / G-タンパク質 / システイン / 興奮収縮連関 / カルシウムシグナリング / カルシウムチャネル / リアノジン受容体 |
研究概要 |
1)ラット新生仔心室筋細胞を過酸化水素(H_2O_2)で処理すると三量体Gタンパク質(G_i/G_o)が活性化されMAPKのERK活性を増加させる。このGα_iの活性化は287番目と326番目のシステインの修飾を必要としていた。そこで受容体刺激によって発生した活性酸素(ROS)がGタンパク質を活性化できるか検討したところ、アンジオテンシンII刺激によりROSが生成しERKを含むMAPKが活性化され、ROSを消去すると3種のMAPKのうちJNKの活性化のみが消失した。以上の結果から、受容体刺激によって生じるROS量はGタンパク質を直接に活性化するほど多くないが、特定のシグナル経路を介してMAPK(JNK)活性化する細胞内メディエーターとして働<ことを示した。 2)Ca^<2+>チャネルの開閉機構およびその制御の分子機構を明らかにする目的でDHPCa^<2+>チャネルアゴニストの結合部位を探索し、L型Ca^<2+>チャネルα_<1C>サブユニットIIIS5-S6間のチャネルポア領域にDHP系カルシウム拮抗薬およびCa^<2+>アゴニストの結合に重要な役割を果たす2つのアミノ酸を同定した。両アミノ酸を欠<改変Ca^<2+>チャネルはカルシウム拮抗薬とCa^<2+>アゴニストの区別なくいずれによっても遮断された。以上の結果をもとにCa^<2+>チャネルのポア領域へのDHP結合によりCa^<2+>チャネルのゲーティング機構が修飾されるという新たなモデルを提唱した。 3)心筋興奮収縮連関における電位依存性L型Ca^<2+>チャネルとリアノジン受容体およびNa^+-Ca^<2+>交換体のクロストークによるCa^<2+>シグナル制御機構を明らかにする目的でラット心室筋細胞の活動電位波形と筋小胞体からのCa^<2+>依存性Ca^<2+>放出によるL型Ca^<2+>チャネル不活性化制御の連関を解析し、Ca^<2+>チャネルのCa^<2+>依存性不活性化機構は活動電位幅を決定することにより活動電位中に細胞内へ流入するCa^<2+>量を制御する事を見いだし、Ca^<2+>チャネルは筋小胞体のCa^<2+>貯蔵量を制御するセンサーとしての役割を担うことを明らかにした。また、Na^+-Ca^<2+>交換体ノックアウトマウス心室筋細胞のCa^<2+>シグナリングを解析し、Na^+-Ca^<2+>交換体のCa^<2+>汲み出し機構がCa^<2+>ストアのCa^<2+>貯蔵量の制御に重要であることを見出した。
|