研究課題/領域番号 |
13308007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中谷 延二 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (10011941)
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研究分担者 |
森光 康次郎 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (00244533)
西川 禎一 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (60183539)
菊崎 泰枝 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (60291598)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
29,250千円 (直接経費: 22,500千円、間接経費: 6,750千円)
2003年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2002年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2001年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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キーワード | 沖縄 / 抗酸化性 / 抗菌性 / 血小板凝集阻害活性 / 免疫賦活活性 / 老化抑制因子 / 香辛植物 / 抗感染菌活性 / 生活習慣病予防 |
研究概要 |
長寿県の沖縄県では生活習慣病による死亡率が低く、その背景には食生活が大きく関与しているものと考えられる。本研究は、沖縄県において伝統的に用いられてきた植物性食素材に着目し、老化抑制や生活習慣病予防等に有効な因子を探索し、その成分の単離と化学構造を解析し、機能を解明することを目的とした。 1.セリ科野菜のボタンボウフウから抗酸化性を指標として4種の新規化合物を含む32種の化合物を単離、構造決定した。ボタンボウフウの強い抗酸化性はケルセチン関連化合物およびクロロゲン酸類が寄与しており、とくにルチンの含量が高いことを見出した。 2.八重山諸島で食されているオオタニワタリの酢酸エチル抽出物が加齢に伴いヒト腸管に増加するウエルシュ菌に対して強い抗菌性を示した。その活性区分からパルミチン酸、パルミチン酸α-モノグリセリドおよび5-(2-oxopropyl)-tetrahydro-2-furanoneを単離、構造決定した。これら3種の化合物はウエルシュ菌のみならず黄色ブドウ球菌に対しても抗菌性を示した。 3.沖縄独特のカンキツであるシークァーサーとカーブチーよりノビレチン、タンゲレチンなど、島ラッキョウからアセチルアデノシン類を内因性惹起剤によるヒト血小板凝集に対する阻害物質として単離、同定した。また外因性惹起剤誘導血小板凝集に対する阻害物質として青パパイアからベンジルイソチオシアネートを同定し、さらにヒトにおいて青パパイアの短期摂取による血流改善効果を測定し、著しい効果を認めた。 4.ナチュラルキラー(NK)活性と好中球の貪食殺菌能を測定する実験系を構築し、種々の食品成分や栄養成分が与える影響をin vitroで検討した。その結果、好中球の貪食殺菌活性をビタミンCやビタミンE、あるいはチオプロリンやN-アセチルシステインなどの抗酸化物質が賦活することが明らかになった。自然高血圧発症ラットを用いた実験においてタマネギにNK活性改善効果が認められた。これらのデータを基に沖縄産植物の抽出物を用いて実験を開始した。 以上、伝統的に食されてきた沖縄の植物性食材から、抗酸化活性、抗菌活性を有する植物種を見出し、ヒトの健康、老化予防に有効性が期待される活性成分を明らかにした。
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