研究課題/領域番号 |
13308027
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
及川 武久 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70011682)
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研究分担者 |
谷 誠 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00314245)
小池 孝良 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (10270919)
山本 晋 独立行政法人, 産業技術総合研究所・環境管理研究部門, 副部門長 (20358287)
寺島 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40211388)
伊藤 昭彦 (独)海洋研究開発機構, 地球フロンティア研究システム・生態系変動予測研究領域, 研究員 (70344273)
大滝 英治 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (40033120)
文字 信貴 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20111982)
小泉 博 岐阜大学, 流域環境研究センター, 教授 (50303516)
福島 義宏 大学共同利用機関, 総合地球環境学研究所, 教授 (00026402)
中澤 高清 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30108451)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
52,650千円 (直接経費: 40,500千円、間接経費: 12,150千円)
2004年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2003年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2002年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2001年度: 21,840千円 (直接経費: 16,800千円、間接経費: 5,040千円)
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キーワード | フラックス観測 / 渦相関法 / 陸域生態系 / 炭素循環 / 物質循環特性 / 生態系モデル / 大気-植生相互作用モデル / COP3 / 大気輸送陸面モデル / 炭素・水・熱フラックス / 微気象生態科学 / 苫小牧林試験地 / フラックスサイト / 陸上生態系 / フラックス / 微気象生態学 |
研究概要 |
本研究は日本列島を中心として炭素循環の課題に下記の3つの分担課題を立ち上げて,森林や草原などの陸上生態系を対象として、これらの生態系が大気との間で大規模に行っている二酸化炭素、水、熱の交換の実態を実験的に明らかにする(分担課題1)とともに、それを支配している各種要因を植物生理学、生態学、微気象学的に解析する(分担課題2)ことを目指す。さらには個々に得られた結果を数学モデルの形で定式化し(分担課題3)、全体の因果関係を明白にする。 1)各種陸上生態系における炭素・水・熱フラックスの長期連続観測 2)各種陸上生態系における物質循環特性の解明 3)生物圏-大気圏相互作用モデルの開発 本研究は限られた研究資金を最大限に活用するため,フラックスタワーが整備されている5地点(うち3地点は常緑針葉樹林,落葉針葉樹林,落葉広葉樹林,残り2地点はC3/C4混生草原と水田)を中心にデータの蓄積と整備を行った。これらの生態系において,生態系の特性を反映したそれぞれ特徴のあるフラックスの季節変化を特定し,炭素動態における植物の重要な生理生態特性と日射・気温・風速・湿度などの微気象因子との関係を解析し,生態系モデル(例えばSim-CYCLE)や大気-植生相互作用モデル(例えばBAIM)との相互検証を行った。東アジア地域を対象として緯度経度5分まで高分解能化された陸上生態系モデル(Sim-CYCLE HD)を用いてシミュレーションした結果,定常状態において東アジア地域の陸上植生は年間10.1PgC(1Pg=10^<15>g)の炭素を光合成(GPP)で固定し、5.0PgCを呼吸(AR)で放出していることが推定された。従って年間の乾物生産(NPP)は5.06PgCと計算され、平均的な単位土地面積あたりでは485gCm^<-2>yr^<-1>となった。NPPは明らかに不均質に分布しており、内陸砂漠の〜100gCm^<-2>yr^<-1>から亜熱帯の湿潤林および水田の1000〜gCm^<-2>yr^<-1>までの植生タイプ間差が見られた。全体的な分布は、温度および水分の環境経度勾配に従った妥当なパターンを示していると見られるが、より詳細に見ると、山東半島近辺のNPPが不自然に低いなどの問題も見られる。その原因としては、衛星データに基づく土地被覆分類や線形内挿による気候分布における誤差が考えられる。 尚,毎年秋に班会議を開き,多くの分担者が集まり,研究成果の発表を行うとともに,研究現場の検分を通じて,活発な論議が交わされて,お互いに大きな刺激を与え合った。この成果は近いうちに新たな思いもよらない形で現れてくるに違いない。
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