研究課題/領域番号 |
13308031
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長山 淳哉 九州大学, 医学部, 助教授 (90136466)
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研究分担者 |
高菅 卓三 (株)島津テクノリサーチ, 分析本部, 室長(研究職)
柳川 堯 久留米大学, バイオ統計センター, 教授 (80029488)
田辺 信介 愛媛大学, 沿岸環境科学センター, 教授 (60116952)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
41,470千円 (直接経費: 31,900千円、間接経費: 9,570千円)
2004年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2003年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2002年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2001年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | PCDDs / PCDFs / PCBs / 有機塩素系農薬 / 有害化学物質 / 胎児期複合曝露 / クレチン症 / リスク評価 / 胎児期復号曝露 |
研究概要 |
クレチン症のマス・スクリーニング検査において陽性であった新生児64名(男:38名、女:26名)の血清TSH濃度は35.4±49.7(平均値±標準偏差、以下同様に表示する)μIU/mlであった。また、血清のfT_3とfT_4の濃度はそれぞれ3.07±0.89pg/mlと1.09±0.32ng/dlであった。108名の健常児(男:58名、女:50名)のTSH、fT_3およびfT_4の血清濃度はそれぞれ8.56±5.62μIU/ml、3.60±0.84pg/mlと2.46±0.67ng/dlであった。当然のことながら、マス・スクリーニング陽性児は健常児と比較して、TSH濃度は有意に高く、fT_3とfT_4濃度は有意に低かった。 両群の産後3週間以内の母乳を汚染している有害化学物質の濃度を測定した。その結果、マス・スクリーニング陽性で、クレチン症と診断された新生児のダイオキシン類、PCB、DDT、HCH、クロルデンおよびHCBの汚染レベルは湿重量当たりそれぞれ0.52±0.40TEQ-pg/g、2.6±2.1ng/g、7.2±6.8ng/g、2.7±3.4ng/g、1.6±1.7ng/gそして0.30±0.22ng/gであった。一方、健常児群ではそれぞれ0.28±0.15TEQ-pg/g、1.5±1.3ng/g、3.7±3.7ng/g、1.3±1.2ng/g、0.76±0.68ng/gそして0.17±0.18ng/gであった。以上のように、クレチン症群では今回分析したすべての化学物質でそれらの汚染レベルは健常児群よりも有意に高かった。 以上のような分析結果より、わが国のクレチン症発症にこれらの有害化学物質への複合曝露が深く関与していることが示唆された。有害化学物質への感受性は胎児期が最も高く、影響も受けやすい。そのような視点から、さらに研究を進展させる必要がある。
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