研究分担者 |
古津 年章 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00314617)
國井 秀伸 島根大学, 汽水域研究センター, 教授 (70161651)
相崎 守弘 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (20109911)
清家 泰 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30243421)
野村 律夫 島根大学, 教育学部, 教授 (30144687)
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配分額 *注記 |
42,380千円 (直接経費: 32,600千円、間接経費: 9,780千円)
2003年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2002年度: 14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2001年度: 23,010千円 (直接経費: 17,700千円、間接経費: 5,310千円)
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研究概要 |
干拓工事によって改変された中海環境を修復し,有効利用していくために,(1)従来の成果やデータを整理・分析し,(2)主に生態工学的視点から環境修復と汽水資源の有効利用に必要な新たなデータを収集し,(3)これらを取り入れた新たなシミュレーションを基礎に,健全な環境を維持・管理していくための施策を検討した. (1)と(2)については(a)沿岸生物,(b)水質,(c)底質,(d)リモートセンシングの4班で作業を行った. (a)アサリの生残条件が水質の他に湖底地形や気象によって大きく左右されること,浅場の海藻の腐敗による影響が無視できないことが明らかになり,濾過食による浄化効果を期待した漁場の選択に重要な示唆を与えた. (b)長期観測に耐えうる水質モニタリング・ゾンデの改良とインターネットを利用した安価なデータ配信システムを開発した. (c)過去に起こった亘久的貧酸素水塊の発生条件を検討し,水深,堆積速度,底質TOC濃度についてほぼ特定することができた.また,自然再生湖岸の離岸堤内に,湖底浸食が激しく親水性を阻害する危険な場所が形成されること,沖帯から流れ藻が漂着・腐敗して高い酸素消費が観測されたこと,などが明らかになった. (d)衛星搭載の各種センサ並びに航空機搭載SARによる同期観測実験を実施した.また,JERS-1SARデータ解析でマイクロ波散乱係数と湖上風速が良い相関を示し,SARによる風速推定の可能性が示唆された. これらのデータは中海本庄工区を囲む承水路堤防の開削効果や水門活用についてのシミュレーションに活かされた.また,最終年度に開催した公開国際セミナーでは中海の環境修復と保全に向けて,(1)長期的環境モニタリングの重要性,(2)住民のコンセンサスの重要生,(3)生態系サービスの概念の導入と環境経済学的分析の必要性,(4)研究者と地域住民が一体となった環境教育プログラムの必要性,などが指摘された.
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