配分額 *注記 |
45,110千円 (直接経費: 34,700千円、間接経費: 10,410千円)
2003年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2002年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2001年度: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
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研究概要 |
F_1-ATPaseの調節サブユニットεにATPが直接結合することを示した.また,このεサブユニットはATP合成酵素中で膜内外の水素イオンの電気化学ポテンシャル差に応じてその形態を変化させることも分かった. F_1-ATPaseの反応機構としては触媒部位を持つβサブユニットにトリプトファン残基を変異導入することにより,従来から謎であった見かけの協同性の原因がαサブユニットの非触媒ATP結合部位に起因することを示し,また,ATPase活性が最大になるのは三つのβサブユニットの触媒部位にAT(D)Pが結合するATPの濃度域であることが分かった.そして,回転のうちの80°のサブステップはATPの加水分解が起こらなくても,結合だけで駆動されること,次に続く40°のサブステップが起こるためにはATPの加水分解が必要なことが分かった.また,蛍光星ATPアナログであるCy3-ATPを用いることにより,三つのβサブユニットのどれにATPが結合したかを見分けることができるようになり,Cy3-ATPは一度結合すると240°回転するまで結合したままでいることがわかった.この結果は上のトリプトファン変異体を用いた実験結果と符合するものである.さらに,一分子のCy3-ATPによる反応が,少なくとも二つの120°ステップに対して影響を与えていること,等が分かった. さらにF_1-ATPaseに磁気ビーズを結合し,外部磁場を操作して強制的に回転させることによりATPをADPとPiから持続的に合成できることを示した.
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