配分額 *注記 |
52,650千円 (直接経費: 40,500千円、間接経費: 12,150千円)
2004年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2003年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2002年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2001年度: 22,620千円 (直接経費: 17,400千円、間接経費: 5,220千円)
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研究概要 |
細菌のべん毛モーターは,イオンの流入を回転力に変換する分子機械であり,その共役イオンによって,H^+駆動型とNa^+駆動型とに分けられる.海洋性細菌Vibrio alginolyticusの極毛はNa^+駆動型で,PomA, PomB, MotX, MotYの四つのコンポーネントが必要である.我々は,大腸菌MotABと海洋性細菌PomABの間でキメラ蛋白質を作成し,それらの機能を解析した.膜貫通領域がNa^+型(PomB由来),細胞外領域がH^+型(MotB由来)のキメラモーターは,MotXYを必要とせず,Na^+駆動型モーターとして大腸菌中でも機能することを示した.また,モーター蛋白質の変異による温度感受性体を初めて単離に成功した.この温度感受性についての解析から,PomAの細胞質領域の両端につながる膜貫通領域(TM2とTM3)の近傍領域がモーター機能に重要であることを明らかにした.エネルギー変換に必須な固定子蛋白質のべん毛モーターへの組み込み過程を,PomAとPomBのN末端にGFPを融合した蛋白質を作製して調べ,細胞の極に顆粒状の蛍光がべん毛と共局在することを確認した.この実験系を用い,固定子蛋白質は膜上で複合体を形成し,複合体でべん毛モーターに組み込まれるモデルを提案した.モーター蛋白質MotYがMotXの非存在下において,ペリプラズム空間に可溶性蛋白質として存在すること見いだし,MotYの大量発現・精製に成功し,結晶化条件を検討した.六方柱の結晶を得ることに成功し,2.7Å分解能の回折像を得ることができた.現在,位相決定を行い,分子モデル構築へと研究を進行する予定である.
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