研究分担者 |
手老 省三 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80111318)
大庭 裕範 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10176985)
秋山 公男 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10167851)
鈴木 洋介 キーコム株式会社, 開発技術部, 部長(研究職)
岩崎 洋平 東北大学, 多元物質科学研究所, 研究機関研究員
|
配分額 *注記 |
46,020千円 (直接経費: 35,400千円、間接経費: 10,620千円)
2003年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2002年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2001年度: 36,920千円 (直接経費: 28,400千円、間接経費: 8,520千円)
|
研究概要 |
従来のEPRに比べて高スペクトル分解,高時間分解が可能なW-バンド(95GHz)マイクロ波を用い,フーリェ変換,スピンエコー核変調効果,スピン緩和,電子-電子二重共鳴などの測定をするために,高周波パルスEPR装置を試作した.以下の装置を組み立て,初めて高周波パルスESR信号の観測に成功した.光導入部に関しても、大きな改良を加えた.以下に,本研究の成果をまとめる. 1.サンプルホルダー内のファイバーを可動化することによって,ファイバーをサンプルチューブ内まで導入することを可能にした.これによって、光照射の効率を数倍向上させるとともに,脱気サンプルの測定を可能にした. 2.cw装置の信号増幅器を、6MHzから150MHzに変えることによって、装置の時間分解能を150ナノ秒から20ナノ秒へと高速化することができた. 3.パルスブリッジによる共振器の共振モードを観測するために,周波数掃引装置および二位相検出信号の演算回路を試作し,共振を示すQ-Dipの観測ができるようになった. 4.パルスブリッジの電源回路制御装置を製作して,ブリッジ電源部の制御を容易にした. 5.マイクロ波の出力が,最大250mWであることを確認した.これは市販の装置(5mW)の50倍の出力で,これにより極短パルスの発生が可能になった. 6.ブリッジテスト用のパルス発生器を試作し,これを用いてMn^<2+>イオンの高周波EPR信号をFIDで観測することに成功した.250mWのパルス出力で,90°パルス幅が20ns以下であった.これは市販の100-150nsよりもはるかに短く,我々の研究には充分な短さである. 7.異なる周波数のマイクロ波を照射した電子二重共鳴の実験が可能であることを確認した.
|