配分額 *注記 |
41,730千円 (直接経費: 32,100千円、間接経費: 9,630千円)
2002年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2001年度: 30,290千円 (直接経費: 23,300千円、間接経費: 6,990千円)
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研究概要 |
本年度実施計画の下記の3項目について以下の成果が得られている。 (1)弾道電子放出の高効率化と安定化 ・ナノ結晶シリコン層の構造制御,陽極酸化条件の最適化およびトップコンタクト形成のクリーンプロセス化などにより,ナノ結晶シリコン層での弾道電子生成効率を向上させた。また,弾道輸送の機構を飛行時間法と計算機シミュレーションなどによって解析し,弾道電子の生成を実証した。 ・これらを基に,素子表面の不動態化とナノ結晶層のアニール処理により,エミッション直流動作寿命を大幅に改善できた。 (2)自発光平面ディスプレイの試作と評価 ・特性を向上させた弾道電子源アレイを励起源とし,発光波長がRGBの蛍光体スクリーンと対向させた2.6インチフラットパネルディスプレイを試作し,単純マトリクス法によるフルカラー映像表示動作を確認した。 ・電子放出の動的応答性,真空度依存性,表示パターンのクロストークなどの基本特性を解析し,平面ディスプレイへの適合性が検証された。 (3)多結晶シリコン膜による素子の開発 ・低コストガラス基板上に堆積した多結晶シリコン膜による平面ディスプレイを念頭においた低温プロセス技術を確立し,素子大面積化の基盤技術を固めた。それを基に,高精細のフラットパネルを作製し,フルカラー映像表示への見通しを得た。 ・以上の知見を発展させ,選択的面放出弾道電子源としての有用性をディスプレイ以外の応用について検討し、微細加工への有用性を確認した。さらに,蛍光体薄膜を素子表面に積層した素子を作製し,弾道電子を真空に放出させることなく固体内で励起源として利用する発光方式の有効性を実験的に明らかにした。
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