研究課題/領域番号 |
13357011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島田 光生 (2002) 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10216070)
杉町 圭蔵 (2001) 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00038762)
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研究分担者 |
副島 雄二 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (30325526)
末廣 剛敏 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (70335967)
田中 真二 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (30253420)
島田 光生 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (10216070)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
51,350千円 (直接経費: 39,500千円、間接経費: 11,850千円)
2002年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2001年度: 39,650千円 (直接経費: 30,500千円、間接経費: 9,150千円)
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キーワード | スーパー肝グラフト / 遺伝子導入 / エレクトロポレーション / テロメラーゼ逆転写酵素遺伝子 / 虚血再潅流傷害 / 過小グラフト / Rho-kinase / テロメラーゼ逆転写酵素 / 虚血再灌流傷害 / 障害耐性肝移植グラフト / 遺伝子導入肝グラフト / TNFαアンチセンス遺伝子 / テノメラーゼ逆転写酵素遺伝子 / 虚血再灌流障害 |
研究概要 |
本研究は、虚血再灌流傷害やsmall-for-size graft傷害などの発生機序解明とTNFα-antiscnce、テロメラーゼ逆転写酵素遺伝子(TERT)などをKupffer細胞や肝細胞に導入し、傷害耐性能力を持つスーパー肝グラフトの作成を目的に行われた。 1.グラフトへの遺伝子導入法の確立 計画していたレトロウイルスベクターが白血病発症リスクを有する(Science 2002)ため、我々が有効性を報告してきたエレクトロポレーション法(EP法)による遺伝子導入法を肝グラフトへ応用した。今回新たに浴槽型電極を作成しUW保存液中での遺伝子導入が可能となった。本装置を用いEP法で肝グラフトにルシフェラーゼ遺伝子を導入し、同所性肝移植を施行した結果、EP法とhydrodynamic法(グラフトに門脈より加圧)を組み合わせることで導入効率が向上することを確認した。投与したプラスミドDNAの大きさが導入効率と関連する可能性が示唆され、正常門脈圧下での導入を実現するため、現在、ナノ粒子を用いた遺伝子導入法について検討中である。また、TERT遺伝子に関しては、別途ラット肝細胞primary cultureにtransfectして冷凍保存実験を検討したが、遺伝子導入による明らかな効果を認めなかった。 2.傷害肝グラフト肝移植モデル作成 過小グラフトの目安である30%部分肝移植モデル(ラット)を用いて、過小グラフト傷害の機序解明を行った。過小グラフトへの過剰な門脈血流がグラフト傷害に重要な役割を果たしていることが判明し、部分的門脈・体循環シャント作成(脾臓の皮下固着)やsomatostaion analogueによる門脈圧減圧がラットの生存率を改善することが示唆された。また、COX-2阻害による過剰な肝再生の抑制が過小グラフト傷害に有効であることが示唆された。ラットよりさらに小型のモデルであるマウス肝移植モデルについても手技はほぼ確立できた。 3.肝冷虚血再潅流傷害軽減に関する研究 肝冷虚血再潅流傷害のメカニズム解明と制御に関して、Rho-kinaseが極めて重要な役割を果たすことが明らかとなった。Rho-kinase inhibitor(Fasudil)を、24時間冷保存ラット肝移植モデルを用いることにより、移植後のサイトカイン(TNF-α,IL1β)産生やフリーラジカル産生を抑制し、肝逸脱酵素(AST,ALT)上昇の抑制、組織標本での壊死範囲の縮小、ならびに生存率の改善を確認した。現在、非ウイルスベクターでの遺伝子導入法を用いて、Rho-kinase antisenceならびにRho-kinase dominant negative遺伝子導入を行っている。
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