研究課題/領域番号 |
13357013
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
|
研究分担者 |
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
山本 雄造 京都大学, 医学研究科, 講師 (70281730)
山本 成尚 京都大学, 医学研究科, 助手 (30253298)
寺嶋 宏明 京都大学, 医学研究科, 助手 (40314215)
佐藤 誠二 京都大学, 医学研究科, 助手 (00303834)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
47,580千円 (直接経費: 36,600千円、間接経費: 10,980千円)
2002年度: 24,570千円 (直接経費: 18,900千円、間接経費: 5,670千円)
2001年度: 23,010千円 (直接経費: 17,700千円、間接経費: 5,310千円)
|
キーワード | 肝細胞癌 / 胃癌 / マイクロアレイ / TapMan PCR / LOH / 再発 / リンパ節転移 / SIAH1 / PEG10 / 肝癌細胞 |
研究概要 |
成果1 我々は肝癌臨床検体のマイクロアレイ解析により肝癌の分化度、脈管侵襲などに関わる遺伝子群を既に同定している。今回、マイクロアレイで選抜された肝癌関連候補遺伝子と既知の肝癌関連遺伝子の計120遺伝子を解析対象とし、47切除症例を対象症例としてTaqMan PCR法による2次スクリーニングを行い、さらに個別化診療への応用を目指し術後早期の肝内再発予測モデル(training25例、validation22例)を構築した。再発の有無と相関する27遺伝子を同定し、これら遺伝子は再発症例で発現が亢進している傾向を示した。15遺伝子からなる肝癌術後再発の予測モデルを構築し、残る22症例での評価では感度75.0%、特異度72.7%の精度で再発の有無を予測可能であった。この15遺伝子の中には細胞周期・転写の促進に関わる遺伝子が含まれていた。今後、より高精度な予後予測モデルを構築して個別化診療に役立てるとともに、これら遺伝子の機能解析を行い肝癌の新規分子標的治療法の開発に繋げたい。 成果2 我々は肝癌臨床検体の包括的LOH解析を行い、高頻度に見られる16qのLOHと肝癌の進展に関連が見られることを報告している。今回、より細かいmicrosatellite markerを用いたLOH解析により16q12.1上に肝癌で高頻度に発現低下の見られる癌抑制遺伝子候補SIAH1を同定し、SIAH1遺伝子の発現低下が肝癌の腫瘍径、分化度に関わることを報告した。 また、マイクロアレイで肝癌組織において高頻度に発現が亢進していたPEG10遺伝子の機能解析を行い、PEG10とSIAH1がinteractionを示すこと、PEG10が肝癌の治療標的となりうることを報告した。 成果3 分化型胃癌の網羅的マイクロアレイ解析を行い、胃癌で発現が高頻度に増加/減少する遺伝子群、リンパ節転移の有無と相関する遺伝子を同定し、原発巣の遺伝子発現からリンパ節転移の有無を100%の精度で予測できる5遺伝子からなるモデルを構築した。リンパ節転移の有無を術前に予測できれば非常に有意義であり、今回抽出した遺伝子は分化型胃癌の治療標的候補となると考えられる。 また、マウスでの強制発現系でリンパ管新生とリンパ節転移が促進されることが報告されているVEGF-C,VEGF-Dに着目し、その受容体であるVEGFR-3を抗体で阻害することでマウス胃癌モデルのリンパ節転移が抑制されることを示し、胃癌リンパ節転移の制御に向けての治療標的となりうることを報告した。
|