研究課題/領域番号 |
13357016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 健二 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (40091326)
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研究分担者 |
筑波 隆幸 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (30264055)
筑波 知子 (筑波 知子(門脇) / 筑波 知子(門脇 知子) / 門脇 知子) 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (70336080)
岡元 邦彰 長崎大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 助教授 (10311846)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
50,440千円 (直接経費: 38,800千円、間接経費: 11,640千円)
2004年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2003年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2002年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2001年度: 25,480千円 (直接経費: 19,600千円、間接経費: 5,880千円)
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キーワード | 歯周病 / ジンジバリス菌 / 病原性因子 / プロテアーゼ / ジンジパイン / 特異的阻害剤 / 歯周病治療薬 |
研究概要 |
本研究では、両酵素群の遺伝子産物の大部分(80%以上)を占めると言われる菌体膜結合型酵素群の性状と機能を明らかにし、菌体外に分泌される可溶性単量体酵素群との相違点を明確にした。さらに、これまでの研究ならびに本研究を通じて明らかにされた両酵素群の機能を制御する目的で、それぞれの酵素に特異的な阻害剤の開発を行い、それらの歯周病における予防・治療への応用の可能性を探った。RgpおよびKgpは単量体として存在するばかりでなく、菌体表面で高分子複合体として存在することが報告されている。しかし、これらの膜結合複合体の分離精製の例はきわめて少なく、それらの構成や性状については未解明の部分が多く残されている。そこで筆者らは、膜結合複合体の分離精製を行い、その構造と性質を、それぞれの単量体分子と比較しながら、明らかにした。特記すべきは、膜結合型複合体は単量体分子に比べて、コラーゲンやエラスチンなどに対する分解活性が強く、宿主細胞に対する傷害作用強かった。さらに興味深いことは、膜結合型複合体はジンジバリス菌の宿主応答からの回避に強く寄与していることが示された。一方、両酵素に対する特異的な阻害剤はジンジバリス菌を不活性化し、歯周病の発症・進展を抑制することが期待されることから、両酵素に対する特異的阻害剤の開発を行った。Rgpに対する阻害剤KYT-1とKgpに対する阻害剤KYT-36はそれぞれに対して特異的であり、両者の併用によってジンジパリス菌の保有する病原性機能はほとんど抑制された。また、ジンジバリス菌の増殖・生存も両阻害剤の共存下で強く抑制されることがわかった。これらの結果は、RgpやKgpの遺伝子欠損変異株を用いた研究結果とよく一致しており、両酵素がジンジバリス菌のもつ生理的病理的機能の大部分を担っていることを強く示すとともに、KYT-1とKYT-36の併用によってジンジバリス菌のもつ病原性を強く阻害する可能性を強く示唆しており、今後歯周病やこれに関連する疾患の予防管理面に有効な手段となることが期待される。
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