研究課題/領域番号 |
13371004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
宮崎 恒二 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40174156)
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研究分担者 |
山下 晋司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60117728)
清水 展 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (70126085)
田村 慶子 北九州大学, 法学部, 教授 (90197575)
伊藤 眞 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (60183175)
富澤 寿勇 (富沢 寿勇) 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (70180164)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
54,210千円 (直接経費: 41,700千円、間接経費: 12,510千円)
2004年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2003年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2002年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2001年度: 16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
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キーワード | 移民 / 出稼ぎ / 出入国 / アイデンティティ / サバ / BIMP-EAGA / 政治参加 / 越境 / マレーシア:インドネシア / 国際研究者交流 / 多民族状況 / ボルネオ / フィリピン / マレーシア / インドネシア |
研究概要 |
現地調査及び文献調査、そしてワークショップ、シンポジウムにおける討議を経て、個人、集団、地域社会、国家の相互作用に関連して、次のことが明らかにされた。 1)半島部同様、「民族」と政治集団は密接に関連するが、有力な集団が不在のサバにおいては、政治集団間の境界は流動的である。 2)連邦の影響力の増大に伴い、サバでは元来少数者である「マレー人」が増加しつつあり、この過程にはムスリムである外来のサマ(バジャウ)、ブギス等が大きな役割を果たしている。 3)マレーシア域内への不法入国ないし、域内での不法滞在に関しては、取り締まりが強化されつつあり、ガヤ島のフィリピン人や、コタキナバル市内のブギス人は目立たなくなっている。 4)不法入国・滞在者の大部分を占めるフィリピン、インドネシアにおいては、自国民の出国管理をさして重視していない。国境付近の海上を生活圏とするフィリピンのバジャウにおいては、越境は単なる移動の連続であるが、インドネシアからの入国者は、しばしば、国境付近のヌヌカンを始め、高度に組織化されたビジネスによって送り込まれる。また、ブギスは親族の、フロレス出身者は教会を拠点とする強固なネットワークをサバに有している。 5)ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピンにまたがるBIMP-EAGA構想は、資源の相補性を基盤とする経済開発計画であるが、越境の容易な境域において行われてきた経済活動を国家管理の下に置こうとする狙いも含まれている、と考えられる。 6)観光産業および農園における労働者として、フィリピン、インドネシアからの出稼ぎ労働者は、サバ経済に不可欠の存在であるが、労働者の流入を何らかの形で合法化する動きは見られず、低コストの労働力として利用されているといってもよい。
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