研究課題/領域番号 |
13371008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福井 勝義 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (60014510)
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研究分担者 |
宮脇 幸生 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (60174223)
松田 凡 京都文教大学, 人間学部, 助教授 (90288689)
佐藤 廉也 京都大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (20293938)
藤本 武 人間環境大学, 人間環境学部, 助教授 (20351190)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
42,900千円 (直接経費: 33,000千円、間接経費: 9,900千円)
2004年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2003年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2002年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2001年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | 北東アフリカ / エチオピア / 国家政策 / 生業体系 / 環境利用 / 生存戦略 / 開発 / 民族 |
研究概要 |
本研究は、平成13年以来、エチオピアを主要な対象とし、国家の諸政策および開発援助が浸透していく過程において周辺の少数民族がどのように生存戦略を見いだし、新たな再編成を図っていくかを実証的に浮き彫りにすることを目的としてきた。 上記の目的にもとづき、エチオピア中央政府がこれまで実施した諸政策が、エチオピア西南部の民族社会に及ぼしてきた影響を調査するために、エチオピア帝政期と革命政権下の2期に分けた上で聞き取りや資料収集をまとめあげた。具体的には、各研究分担者のフィールドにおける在来の政治組織や土地所有の変化といった「社会的対応」と農耕・牧畜技法や栽培する作物の比重、その品種の変遷といったより長期的なスパンで発生するような「生業レベルの変化」の2点のほか、衛星画像の解析を進めることによって、国家・開発政策にともなう諸社会の環境利用変化を生態環境データと照らし合わせて比較検討してきた。 このように、国内での研究会合を開催して研究メンバー間での情報交換と統合的な分析を進めた一方、研究代表者をはじめ9人の研究分担者および研究協力者がエチオピア西南部において現地調査を行ってさらなる情報収集につとめ、西南部の多角的・重層的分析を目指してきた。その結果、西南部諸社会では、帝政時代・デルグ政権時代・EPRDF現政権時代という3つの歴史区分で、各民族社会におけるそれぞれ影響のあり方や質などが、地域による自然環境や生態資源、各民族の文化や習俗など、様々な位相において異なっていることが明らかになった。 こうした成果が、京都大学出版会から『社会化される生態資源-エチオピア 絶え間なき再生-』としてまとめあげられ刊行された。イタリア占領期からの歴史・政治的背景との関わりのなかで国家政策が周縁に位置する民族社会へいかなる影響を与えたか、さらに生態資源という自然環境にどのように作用しているかといった問題が多角的・総合的に論じられるものである。
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