研究課題/領域番号 |
13373006
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上田 豊 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (80091164)
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研究分担者 |
藤田 耕史 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (80303593)
岩田 修二 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60117695)
幸島 司郎 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (60183802)
安成 哲三 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授 (80115956)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
29,510千円 (直接経費: 22,700千円、間接経費: 6,810千円)
2004年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2003年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2002年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2001年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 氷河 / ヒマラヤ / 氷河縮小 / モンスーン / 氷河湖 / 氷河変動モニタリング / 国際研究者交流 / ブータン:ネパール / ブータン:ネパール:インド |
研究概要 |
ヒマラヤの氷河では、夏のモンスーンによる積雪量が年間量の大部分を占めるため、氷河変動が温暖化に鋭敏で、近年の氷河縮小が他地域よりも顕著なことが観測されている。本研究は氷河縮小の実態の比較解析と、モンスーン型氷河の縮小機構の解明を主目的とした。現地調査は、モンスーンの影響が強いヒマラヤ東部のブータン、1970年代から氷河変動を観測してきたネパールで行い、半乾燥地のインドも概査した。また衛星画像の解析なども行った。 ブータン・ヒマラヤではブータン地質調査所と共同で、2002年秋と2003年秋に設置した2カ所の自動気象観測装置から2003年秋と2004年秋にデータを回収し、氷河域での通年データを取得した。また氷河の融解量と流動量および氷河湖の変化を求めるため、2002年秋と2003年秋に氷河上に設けた多数の観測点を2003年秋と2004年秋に再測量した。それらから、末端堆石堤まで氷体が残存する一般の氷河に比べ、末端に氷河湖を持つ氷河は、末端部で減速せずに湖へ氷を分離・流出するため、氷河の後退・表面低下を湖が促進し、そのため湖自体も拡大することなど、興味深い成果が得られた。衛星画像解析では、氷河縮小機構の解明のため、氷河融解量の分布を求める手法を、現地での同期観測に基づいて開発した。 ネパール・ヒマラヤではネパール水文気象局と共同で、1999年以降とだえていた氷河変動の測量を、2004年にエベレスト山域においてGPSなどを用いて実施した。長大なクンブ氷河は下流部が岩屑で覆われているが、氷厚の減少が持続していた。小型氷河も最近の縮小加速が観測された。将来の氷河変動モニタリングのために、各氷河で測量基点を整備した。 各種解析により、近年の氷河縮小はヒマラヤ西部でも著しいが、モンスーンが強く影響するヒマラヤの東部ほど顕著なことがわかった。今後も衛星画像などを活用して、ここ約半世紀にわたる広域的な氷河変動解析を進める。
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