配分額 *注記 |
23,400千円 (直接経費: 18,000千円、間接経費: 5,400千円)
2003年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2002年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2001年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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研究概要 |
シベリアから極東ロシア,日本列島にいたる地域の植生変遷を気候変動やそれに伴う様々な環境「変動との関係で地球的視野から位置づけることを目的として,15地点で堆積物の採取を行い古生態学的研究を行った。なお,平成13年度〜15年度に行ったこの研究は,「研究計画最終年度前年度の申請」によって平成16年度から「極東ロシアにおける最終氷期以降の植生変遷」(平成16年度〜18年度)に引き継がれ,現在も継続中である。 西シベリアでは,後氷期中期以降はカバノキ属の花粉が最も優勢で,マツ属花粉もこれに伴っていた。また,現在,森林地帯である西シベリアの山岳地でも,後氷期中期以降,カバノキ属,マツ属にモミ属を伴う森林が広がっていた。 バイカル湖周辺では,約12000年前以降,シベリアトウヒが増加し,完新世前期には,南部では常緑タイガ,北部では落葉タイガが発達した。完新世中期以降シベリアマツ,ヨーロッパアカマツが広域に増加した。 アムール川河口域では,完新世初期には,カバノキ属の優占する植生が発達していた。約7500年前には,モンゴリナラやハルニレなどの落葉広葉樹花粉が出現する。この時代にアムール川流域で広葉樹が増加したと考えられる。その後,植生は大きく変化し,カバノキ属とともに,エゾマツが増加する。グイマツは少なくとも完新世初期からこの地域に分布していた。 カムチャツカ半島では,南部のPuschino湿原では,晩氷期あるいは完新世初期に,イネ科,ヨモギ属,キク科などの草本植物が優占していたが,完新世初期以降カバノキ属,ハンノキ属などの落葉広葉樹の多い植生が形成され現在まで続いている。中部のSmal1 Kimitina湿原では,完新世初期にカバノキ属,ハンノキ属の優勢な森林が形成されたが,6000年前にハイマツが,2000年前にグイマツが,1800-1500年前にエゾマツが増加して,現在の植生に至っている。
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