研究課題/領域番号 |
13375010
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石田 紀郎 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (80026434)
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研究分担者 |
楠美 順理 中京大学, 教養部, 講師 (10319220)
若井 晋 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30158571)
千葉 百子 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80095819)
夏原 由博 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20270762)
下田 妙子 九州女子大学, 家政学部, 教授 (20106280)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
29,250千円 (直接経費: 22,500千円、間接経費: 6,750千円)
2002年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2001年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
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キーワード | アラル海 / 砂漠化 / 潅漑農業 / 植生 / 水質 / 塩分 / 気象変化 / 貧血 / 塩 / 中央アジア / 疫病 / 飲料水 / 環境保全 |
研究概要 |
1960年代に始まったアラル海の縮小という大規模な環境変化は今日も継続しており、縮小が停止する要因は発生していず、消滅は時々刻々と近づいている。2002年の衛星画像による観察研究結果によれば、湖岸線の後退速度は20m/日で、年間7.3kmである。当研究グループ調査研究活動はこのような環境破壊の現場を観察し、記録することを重視してきた。さらに、このような環境変化によって発生する生態環境と社会の変化(影響)を化学的に把握することを第二の目的としてきた。以上の活動によって得た自然科学的、社会科学的データーを基にして、地域社会の再生への提案をすることが最終目的である。アラル海はその湖面積が4分の1となり、新たな沙漠の出現、流域の水環境の変化による流域住民の生業、生活、社会経済は質的悪化を続けている。本研究グループの2000年度から2002年度活動は次の3課題を中心とした。1)小アラル海再生計画(ダム建設)の実現性を水質、水生動物相からの評価し、2)旧アラル海湖底(沙漠)のリハビリテーション施策立案に向けた植物相と動物相の遷移を鳥類生息調査からの評価、3)地域住民(とくに児童)の健康障害の実態把握と疫学調査により生活環境質としてその原因を解明することである。その結果、小アラル海と大アラル海を分断して、シルダリア川の流水を小アラル海のみに貯留すれば、小アラル海は湖として再生可能であることを立証した。また、旧氾濫原の沙漠化防止対策の基礎的知見を収集した。健康障害との関係について、800人の児童を対象とした疫学調査によって、低栄養、貧血、呼吸器機能障害が多発している事実を確認した。このような未曾有の大規模な環境変化を対象とした研究は短年月では実態把握すら困難であり、長期的観察を可能にする研究を国家的に継続する必要がある。
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