研究課題/領域番号 |
13410006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国哲学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
井上 克人 関西大学, 文学部, 教授 (30184740)
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研究分担者 |
木村 宣彰 大谷大学, 文学部, 教授 (80103117)
吾妻 重二 関西大学, 文学部, 教授 (20192982)
丹治 昭義 (丹治 照義) 関西大学, 名誉教授 (00067555)
石井 公成 駒澤短期大学, 仏教科, 教授 (10176133)
坂出 祥伸 関西大学, 文学部, 教授 (30067574)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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キーワード | 大乗起信論議記 / 華厳経学 / 法蔵 / 体と用 / 熊十力 / 縁起 / 『大乗起信論義起』 / 華厳教学 / 一乗思想 / 解釈分(げしゃくぶん) / 『起信論』 / 『義記』 / 浄影寺慧遠 / 宗密 / 華厳経 / 真如随縁 |
研究概要 |
『大乗起信論』(馬鳴菩薩造)は、六世紀以後の中国仏教、さらに日本仏教に大きな影響を与えてきた。内容は大乗仏教の根本思想である仏性論もしくは如来蔵思想を精密かつ論理的に論じられたものである。この論書には漢訳が真諦三蔵訳(旧訳)と実叉難陀訳(新訳)の二種類あるものの、サンスクリット原典もチベット訳本も存在せず、インド撰述か中国撰述か、議論の分かれるところである。 当研究では、この論書を思想的・歴史的・実証的に解明すべく、サンスクリット語仏典を渉猟しつつ、中国、西域各地の仏教遺跡を調査し、インドの如来蔵思想、仏性論との比較研究を行った。 当研究のちう一つの特色として、法蔵の『大乗起信論義記』を独立した思想書として見なし、その綿密な註釈と読み下し文の作成を共同研究の形式で行ったことが挙げられる。その際、とくに法蔵の主著である『華厳五教章』や『探玄記』の陳述との比較検討を行い、また彼が引用した経典や論書の文言は、サンスクリットやチベット訳のある場合は、それらとの異同を調査することによって意味を明確にすることに努めた。 次に、当研究の成果としては、次の三点が研究過程で明らかになったことである。 (1)法蔵は法相宗をライバルとして教判を形成したと考えられてきたが、智儼の最晩年になって急激に勃興してきた禅宗を意識した部分もかなりあること。 (2)東大寺図書館で淨影寺慧遠の『大乗起信論義疏』の古写本を発見し、そのコピーを入手することができたこと。これについては、現在それを用いて大正蔵経版と比較しヴァリアントを整理している。 (3)上のような研究を行う一方で、更に複数の文献を自動的に比較して、各文献それぞれの特色を明確にするコンピュータ処理法(NGSM)を更に発展させ、クラスター分析によって図示できるようにしたこと。
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