研究課題/領域番号 |
13410007
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
印度哲学(含仏教学)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤井 教公 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70238525)
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研究分担者 |
佐藤 錬太郎 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40196291)
細田 典明 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (00181503)
吉水 清孝 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (20271835)
ゆはず 和順 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80210590)
沼田 一郎 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (20261258)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 東アジア漢字文化圏 / 仏教移入 / 世界観 / 人間観 / 衆生 / 依正不二 / 運命観 / 仏性如来蔵思想 / 法華経 / 神仏習合 / 法華論 / 仏性 / 衆性 / 孔子 / 王権 / 『法華経』 / 『法華論』 / 慧思 / 沢庵宗彭 / 『不動智神妙録』 |
研究概要 |
本研究は、インドで興起した仏教が東アジア文化圏にもたらされ、移入された結果、東アジア諸国、特に中国と日本においてそれぞれの民族の世界観、人間観にどのような影響と変化とを及ぼしたのかということを、宗教・哲学・社会思想の各分野において検討し、その影響と変化の過程、及びその結果とについて総合的に把捉し、解明しようとしたものである。 研究年度の最後にあたり、以下に検討結果の概要を記せば次の通りである。すなわち、東アジア文化圏において仏教受容が及ぼした最も大きな影響は、仏教の因果応報の理と生死輪廻の思想とが東アジア諸民族に、その人生観とりわけ死生観と運命観とに深みと厚みを与え、また、無機的な環境世界としての自然と自己との調和を図ることをより一層推進させたことである。仏教移入以前にも東アジア文化圏には自然との一体化という思惟傾向が存在していたが、それをより一層推し進めたのは仏教の認識論的世界観であり、そのことによって東アジアにおいて依正不二の思想が確立したといえる。また次に、仏教の空思想は仏教の基本教理であるが、大乗仏教の仏性如来蔵思想はこの空思想とややもすれば抵触しやすい要素がある。中国仏教が「一切衆生悉有仏性」のテーゼの「衆生」の中に心意識のない草木をも加え、さらに瓦石にまで仏性遍在を説いたのは、中国老荘思想における「道」の哲学、さらにはそれに先立つ汎神論的世界観の影響によるが、この実体的思惟傾向に常に歯止めをかけ、揺り戻しをかけているのが仏教であり、それが東アジア諸民族における世界観・人間観をより一層深いものにしているということができる。
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