配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2001年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
1.本研究は,目的志向行動において認知情報と動機づけ情報がどのように関わるのか,またどのように統合されるのかを生理心理学的に解明しようとしたものである。 2.サルにおける学習事態において,認知的負荷と動機づけ変数をいろいろ変化させ,それが学習行動にどのような影響を与えるのか,またそれが脳,特に前頭連合野の活動レベルではどのように表現されるのかを調べた。結果は以下の通りである。 3.サル前頭連合野外側部には,手掛かり刺激として「無報酬」が予告された場合に,結果としては反応に対して何も得られないにも拘わらず,「どのような報酬がもらえないのか」という内容まで含んだ「無報酬の予期」に関係したニューロンが見出された。 4.サル前頭眼窩野に「長期の」と「短期の」報酬期待過程を見出した。前者は「何試行か先に与えられる特定の報酬」の期待に,後者は「現試行の報酬」の期待に関係していた。 5.ワーキングメモリーに関係してサルのPET実験を行った。予想に反し,ワーキングメモリーに関係してサルでは前頭連合野の活性化はみられなかった。また,ワーキングメモリー課題遂行中も,コントロール課題遂行中も,安静時と比して前頭連合野で活動の減少が観察された。 6.ワーキングメモリー課題遂行中とワーキングメモリー負荷のないコントロール課題遂行中のサル前頭連合野におけるドーパミンとグルタミン酸濃度を安静時のもとの比較した。ワーキングメモリー課題に関係してドーパミンは増加したがグルタミン酸に変化はなかった。一方,コントロール課題に関係してグルタミン酸は増加したがドーパミンに変化はなかった。
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