研究課題/領域番号 |
13410064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
宮島 喬 立教大学, 社会学部, 教授 (60011300)
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研究分担者 |
イシカワ エウニセ 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 助教授 (60331170)
佐久間 孝正 立教大学, 社会学部, 教授 (80004117)
太田 晴雄 帝塚山大学, 人文学部, 教授 (10185275)
田房 由起子 立教大学, 社会学部, 助手 (20350291)
坪谷 美欧子 横浜市立大学, 商学部, 講師 (80363795)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 外国人 / 不就学 / 教育委員会 / 出稼ぎ / 外国人学校 / 日本語 / 出稼ぎ的滞在 / 漢字のカベ / いじめ / 義務教育 / ニューカマー / ブラジル人学校 / 就学困難 / 外国人児童・生徒 / ブラジル人 / 学校 / 学習室 / 地方自治体 |
研究概要 |
3年度のわたる研究で、日本における外国人児童生徒の就学の状況と問題点について十分に明らかにすることができた。ニューカマー外国人で日本の小中学校に在籍する児童生徒数は約40000人と推定されるが、これは、義務教育年齢の外国人の約60%にすぎない。外国人学校や国際学校に通う者や、帰国した者を除いても不就学率は35%には達すると思われる。そのような事態が生じている要因としては、次ぎのようなものがあげられよう。 (1)日本の義務教育は外国人には適用されず、就学が義務づけられていない。(2)子どもたちの両親は、仕事を求めて国内を移動することが多く、そのため就学の機会を逸することがある。(3)また、親たちは、出稼ぎ労働者の意識で日本に滞在するケースが多く、長時間労働に従事するため、子どもの教育について十分な配慮ができない。(4)日本の学校教育では、子どもたちにとって不慣れな日本語の読み書きが必須とされ、これが彼らにとって大きな「文化障壁」となっている。(5)教科の内容においても多文化化への努力が不十分で、彼らを十分の学習に参加させることができない。 こうした状況下で、日本の学校への就学を困難と認め、ブラジル人学校、ペルー人学校などに子どもを通わせる親もいるが、学校の整備が不十分であること、学費が高額であること、子どもの多くは日本で継続的滞在を続けると思われること、を考慮すると、これら外国人学校に彼らを委ねることは適切とは思われない。 そこれ今後の改善すべき課題を検討した結果、次のような結論に達した。 1.教育委員会および学校は外国人の子どもの就学を促進するため、就学のフォロー調査を行い、スクール・ソーシャル・ワーカーを設け、親、子どもへの働きかけを行う。 2.特に親の子どもの就学への関わり方を改善するため、十分な情報提供を行い、生活構造も変えるように相談、助言を行う。 3.子どもたちが前もって十分な日本語指導を受け、困難なく学校生活に参入できるよう、プレスクールを設ける。 4.カリキュラムを外国人の観点からみてもより普遍性をもつように改正するとともに、多文化性を尊重し、母語教育なども放課後に行う体制を整える。日本人の子どもにも他文化尊重の教育を行う。 5.地域の教育資源を活用するため、ボランティア補習教室との連係等につとめる。
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