研究課題/領域番号 |
13410128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国文学
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
安田 文吉 南山大学, 人文学部, 教授 (80121474)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 清元節 / 常盤津節 / 富本節 / 宮古路節 / 正本 / 稽古本 / 浄瑠璃 / 三味線 / 常磐津節 / 清元 / 常磐津 / 富本 / 延寿太夫 / 文字太夫 / 豊前掾 / 斎宮太夫 / 評判記 |
研究概要 |
本研究は、江戸豊後系浄瑠璃三流の一つ、清元節の正本・稽古本等の基礎的資料の調査・整理を行い、今後の研究の基礎を築くものである。清元節は、豊後節から成立した常磐津節、常磐津節から独立した富本節、その富本節から文化八年豊後路清海大夫(さらに清元延寿大夫と改名)が独立して清元節は成立した。主に歌舞伎の踊り地として、歌舞伎と一体になって発展し、今日に至っている。しかし、清元節の本格的研究はほとんど進んでいないので、各所に分散した資料の発掘・確認・整理を行った。 清元節は、現在も行われている音曲であるため、現行曲の正本・稽古本は多いが、初演時の正本や古態を伝える稽古本の類、さらには、現在行われていない曲の資料は僅かしか残っていない。纏まって正本・稽古本が収蔵されている上野学園日本音楽資料室・早稲田大学演劇博物館・東京大学黒木文庫・東京芸術大学付属図書館・大阪大学忍頂寺文庫・上田市立図書館花月文庫の調査とデジタル写真による収集を行った。また、大阪在住個人所蔵の資料が判明したのでこれの調査収集も行った。また、周辺資料調査収集として、石水博物館(津市)・愛知教育大学付属図書館の役者評判記の調査・収集も行った。3年間で、現存の清元正本・稽古本の調査・収集はほぼ完了した。総数約2170点(約600曲)。清元節は、その成立が豊後三流の中ではもっとも新しく、曲数は決して多くはないが、明治以後に愛好された曲節で、人気曲の正本・稽古本は明治・大正期にも幾度となく繰り返し出版されていたことが確認された。上野学園日本音楽資料室の資料の中には、明治期の手書きの正本、語り手の床本として使用された正本が20点程あり、これはこれまで全く知られていなかったもので、非常に貴重な発見であった。石水博物館には役者評判記以外に「江戸自慢絵入り新狂言」「三都俳優水滸伝」「劇場一観顕微鏡」「三都戯場役者一口商」「俳優相貌鏡」といった江戸時代の役者の動向を知る貴重な新資料が発見できた。 収集した清元正本・稽古本は、資料一覧の目録として整理、報告書として冊子にした。また、データベースソフト(桐)を利用して、デジタル写真として収集した資料が目録から検索・利用できるようにして、CD化した。
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