研究課題/領域番号 |
13440002
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮本 雅彦 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30125356)
|
研究分担者 |
森田 純 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20166416)
木村 達雄 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30022726)
内藤 聡 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (60252160)
竹内 潔 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (70281160)
北詰 正顕 千葉大学, 理学部・数学科, 教授 (60204898)
佐垣 大輔 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (40344866)
星野 光男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (90181495)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
|
キーワード | 頂点作用素代数 / ムーンシャイン加群 / モンスター単純群 / C2条件 / ジョルダン代数 / モジュラー不変 / トレイス関数 / 擬トレイス関数 / 保型形式 / モジュラー関数 / ヒルベルト型保型形式 / ジーゲル型保型形式 / テンソル積 / ムーンシャイン予想 / 格子型頂点作用素代数 |
研究概要 |
頂点作用素代数(略してVOA)の概念は、モンスター単純群(最大の散在型有限単純群)と古典的モジュラー関数との間の神秘的な関係を説明するために構成されたムーンシャイン加群(ムーンシャイン頂点作用素代数)から来ている。現在では、数理物理における2次元共形場理論(のカイラル代数)に対して厳密な公理を与えたものとも理解されているが、モジュラー不変性を仮定していないにもかかわらず、幾つかの有限性条件の下でモジュラー不変性が出て来るという神秘的な性質を持っている。我々の研究の目的は、このモジュラー不変性の起源を明らかにし、それを多変数型(例えば、ヒルベルト型やジーゲル型)のモジュラー不変性に拡張する為の基礎を構築することにある。本研究で得た研究成果は以下の通りである。 (1)最初のムーンシャイン頂点作用素代数の構成は複雑なオービフォルド理論を利用していたが、ここでは、最も基本的な共形場理論であるイジング模型を使ってムーンシャイン頂点作用素代数を構成した。これにより、直積型ではあるが、多変数型のモジュラー不変性(保形性)を示す最初の例を構成した。 (2)これまではモジュラー不変性を導く有限条件として、有理性(加群が完全可約であること)が本質的であると理解されてきた。本研究では、pseudo-trace関数というものを導入することで、有理性は本質的ではなく、技巧的だと思われていたC2有限性こそが本質的な条件であることを示した。 (3)ジーゲル型のモジュラー不変性を得るためには、ユークリッド型ジョルダン代数をグライス代数として持つ頂点作用素代数が必要であるが、これまでは、中心電荷がランクと一致するものしかなく、これでは、古典的なジーゲルモジュラー形式しか得ることができなかった。本研究では、任意の中心電荷に対して、ジョルダン代数をグライス代数として持つものを構成した。 (4)頂点作用素代数を構成した場合、その自己同型群を求めることは重要な問題であるが、本研究で構成するものはほとんど宮本involutionという位数2の元を含んでいる。それゆえ、位数2の元の中心化群から全体の自己同型を求めることが役に立つ。本研究では、これに対する位数公式を導いた。
|