研究分担者 |
佐藤 榮一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10112278)
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70202017)
山田 美枝子 金沢大学, 理学部, 教授 (70130226)
落合 啓之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90214163)
田川 裕之 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (80283943)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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研究概要 |
この研究課題のもとで筆者はマサチューセッツ工科大学のVictor G.Kac教授と共同研究を行い,アフィン・スーパー・リー環とスーパー・コンフォーマル代数(SCA)の構造と表現の研究を行った。それによって得られた成果の内で主なものは次の通りである。 1.classicalなアフィン・スーパー・リー環sl(m|n)^,osp(m|n)^について,それらの基本表現をボゾン場とフェルミオン場を用いて具体的に構成し,この表現空間の指標を計算することによって,sl(m|n)^の基本表現についてWeyl-Kac型の指標公式の他に,テータ函数型およびquasi-particle型の指標の表示式を導くとともに,osp(m|n)^の基本表現の指標のモジュラー性質を求めた。 2.アフィン・スーパー・リー環sl(m|n)^の基本表現の指標がAppellの楕円函数で記述されることを見つけ,それを用いて指標の漸近的挙動(Asymptotics)を求めた。 3.無限次元スーパー・リー環の中でも特に重要なクラスはアフィン・スーパー・リー環とスーパー・コンフォーマル代数であるが,この両者は構造が著しく異なる。不変内積やWeyl群はアフィン・スーパー・リー環の表現の研究のために基本的に重要な道具であるが,スーパー・コンフォーマル代数にはこれらが存在しない。そのために,スーパー・コンフォーマル代数の研究は難しく,その表現論を研究する上での有効な数学的な方法や理論は,これまで知られていなかった。筆者はDrinfeld-Sokolov reductionの量子化を用いてW代数を構成する方法を研究し,それの具体的な構成法を発見し,その構造を解明した。 4.W代数の理論で重要な道具は"頂点代数"であるが,頂点代数ではNeveu-Schwarz型の粒子しか取り扱うことが出来ない。Ramond型の粒子も含めて,より一般にすべてのスーパー・コンフォーマル代数を得るために,この方法を更に"twisted頂点代数"に拡張し,twistedスーパー・コンフォーマル代数をもW代数として構成した。 5.W代数は,アフィン・スーパー・リー環からスーパー・コンフォーマル代数への"functor"であり,代数系の関係を与えるだけでなく,アフィン・スーパー・リー環の表現をスーパー・コンフォーマル代数の表現に移す。これを用いて,twistedスーパー・コンフォーマル代数について行列式公式,指標公式,自由場表現を求めた。
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