研究分担者 |
江尻 典雄 名古屋工業大学, しくみ領域, 教授 (80145656)
小林 亮一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20162034)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
井関 裕靖 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90244409)
糸 健太郎 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (00324400)
中西 敏浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (00172354)
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配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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研究概要 |
研究代表者・納谷信と井関裕靖は,組合せ調和写像とその超剛性・固定点定理への応用の研究を行い,CAT(0)空間への離散群の等長的作用に対する固定点定理を得た.納谷信と鎌田博行は,四元数CR幾何の研究を行い,標準的な擬エルミート接続の表現論的意味を明らかにした. 江尻典雄は,2g次元平坦トーラスの種数gの面積最小でない安定極小曲面の存在問題について研究を行い,ある8次元トーラスに種数4以上の非正則,安定極小曲面が存在することを証明した. 小林亮一は,Nevanlinna理論の離散化としてのDiophantine approximationの幾何学的理論の構築について研究を行い,射影的代数多様体への正則曲線に対する対数微分の補題がいつも同じ形で成り立つことを示した. 中西敏浩は,境界つきコンパクト曲面群からSL(2,C)への忠実かつ境界成分のホモトピー類が放物元に写されるような表現の同値類全体の空間に,R.C.Pennerのλ長を複素化したパラメータを導入し,写像類群を有理変換のなす群として表現することに成功した. 小谷元子は,結晶格子,すなわちアーベル群の作用する無限グラフ上のランダム・ウォークの大偏差とその幾何的意味付けについて研究し,漸近項を求めるとともに,減衰オーダーを表すレート関数と,結晶格子の無限遠での接錐の関係を明らかにした. 太田啓史は,単純特異点および単純楕円型特異点のリンクのシンプレクティックフィリングの変形類を完全に決定した.また,フィルター付きA_∞代数を用いたフレアーコホモロジーの障害理論と変形理論を研究した. 佐藤猛は,様々なモジュラ関数を用いて,円周率πの値を計算する新しいアルゴリズムをいくつか得た. 鎌田博行は,スカラー平坦不定値Kahler計量を許容するコンパクト複素曲面の研究を行い,ある種の対称性をもつスカラー平坦不定値Kahler計量の存在によって複素射影直線の直積を特徴づけることができた. 糸健太郎は,曲面群と同型なクライン群(擬フックス群)の変形空間の境界挙動を,曲面上の射影構造のホロノミー表現を通して研究し,ある種の連続性と離散性を示すことにより,Goldman's grafting theoremが境界群でも成り立つこと(Bromberg's conjecture)を示した.
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